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地方移住者に「不便じゃないですか?」って聞くの、そろそろやめにしません?

私が十日町市に移住して、そろそろ丸8年。
地域おこし協力隊の全国的な配置や各自治体の移住施策もあって、都会から地方への移住は割と珍しくなくなってきていると思う。
でも、私みたいな移住者の端くれでも、たまにメディアのインタビューを受けることがあって、そして時々こんな質問を投げかけられる。

「地方に住んで、不便じゃないですか?」と。

そんな時は「いやーそんなことないですよ。ネットショッピングとかもできるし、近場なら車でどこだって行けるし。」とヘラヘラ答える。
記者の方すみません。
完全に忖度してます。

いや、そりゃ都会に比べたら不便ですよ。
ネットショッピングができるっていったって、やっぱり実物を見て選びたい時だってあるし。洋服は試着してからじゃないと、結構失敗するし。
車でどこにだって行けるけど、やっぱり長岡とか新潟とかちょっと車通りが多いところはなるべく避けたいし。二車線とか無理。

将来子どもができて、高校・大学進学時になったら、電車通学するの?とか県外の大学に通わせるの?とか考えるし。
病院も選択肢少ないし。不妊治療だって車で片道1時間以上かけないと専門診療科にかかれないし。

そりゃ不便ですよ。圧倒的に。

でも不便だからって、移住するのをやめただろうか? もう住み続けたくないって思うだろうか?

いや。そうは思わなかったし、これからも思わないと思う。

安定した職を辞めたとしても、東京で築いてきた人間関係から離れたとしても、池谷でやりたいって思うことがあった。
十日町で色んな人と出会って色んな経験をさせてもらって、必要としてもらって、やりたいって思うことがあって、家族ができて、どんどん楽しくなる。ワクワクする。

それは、私にとって都会の便利さとは比べられない、豊かな人生だ。
きっと他の地方移住者の方も、それぞれそう思って地方に生き続けている。

だからさ、地方移住者に「不便じゃないですか?」ってきくのはそろそろやめません?
もし今度聞かれたら、
「お嬢ちゃん…それをきくのは…野暮ってもんだよ…」
頭の中で、どこぞのハードボイルドダンディーにささやいてもらおうかと思う。

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