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私にとってのふるさと

私は、「ふるさと」と言うと、童謡ふるさとの歌詞にあるような、いわゆる田舎を想像する。
あわせて生まれ育った土地、という解釈だったので、ふるさとは田舎で育った人のもの、という認識だった。

私は、都会で育ったわけではないが、田舎でもない普通の住宅街で過ごした。何度か近場で引っ越しもしたが、全部ただの住宅街だった。ただの住宅街でどこも景色は同じだった。

だから #ふるさとについて語ろう を見ても私にふるさとはないな~特に語ることはないなと思った。

まぁそんなものだと思い、これまで特に意識したことはなかったけど、どうして語ることもないのにこの#に引っ掛かったのか……

考えてみた。

今までどこの街にも愛着はなかった。

でも、今住んでいる街は大好きになっていて、めちゃくちゃ愛着があって、

ふるさとと呼びたいのである。



初めて一人暮らしをするために選んだ街で
暮らして7年目になる。

商店街が近くて物も安い。帰り道も明るい。
たまに変な人もいるけど、大阪らしくていい。暮らしやすい。
飲み屋さんもほどよくあって、結婚してからも夫婦で楽しく過ごせた。

今年7月に、その街界隈を盛り上げる団体に顔を出してみた。
ずっと夫婦だけで完結していた暮らしに初めて地域の人との交わりを持った。

その団体は、地域活性につながるようなイベントを開催したり、フリーペーパーを発行したりしている。

もともとはキャリアスクールで学んだことを活かせそうな場になればいいなという気持ちで参加することにした。

でも、団体の活動に参加してから、ネタを探さなきゃ!と積極的に街のことを知ろうとした。そして、街を知って人と関わっていくことになって、予想以上に心を動かされた。


とても月並みな表現だけど、人の温かさにふれた。

ずっと人はみんな自分の損得勘定で生きていると思っていた私にとって、純粋に人を応援したり、疲れた人をやさしく支えたりする人がいることに驚いた。
そうすることがさも当然と行動している人に出会えて、今まで自分は本当に小さな世界を見て人への期待や自分が大切にされることを諦めていたことに気がついた。そうした人の繋がりがある街でこれからも過ごせたら、知らず知らず縮こまってた気持ちが解れていくんだろうなと涙がでそうになった。

私はまたここで形作られたい。

私が育ったのはここですと言いたい。

何歳からでも知らなかった自分を知る場所、新しい価値観にアップデートさせてくれる、私を育ててくれる場所をふるさとと呼びたい。

きっとこれまでに過ごしてきた、ただの住宅街でも一歩踏み出して怖がらずに誰かと交わっていれば、そんな出会いもあったのかもしれない。

これから先、暮らす場所が変わることもあるかもしれない。
ふるさとと呼べる場所を増やしていきたい。



ふるさととは
1 自分の生まれ育った土地。故郷 (こきょう) 。郷里。
2 荒れ果てた古い土地。特に、都などがあったが今は衰えている土地。
3 以前住んでいた、また、前に行ったことのある土地。
4 宮仕え先や旅先に対して、自分の家。自宅。

デジタル大辞泉(小学館)



#ふるさとを語ろう

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