コロナ禍だからこそのテレビ

最近見て大笑いしたテレビは、『しくじり先生』の「しくじり学園お笑い研究部」にラフレクランが登場した回でした。特にラフレクランのつっこみ、西村が、その「血の通っていない」部分をつっこまれ、本気で泣いてしまうのが、せつなくてかわいそうでもあったけれど、悪いとは思いつつも本当に面白かった…。やっぱり、人のふいうちに見せるガチの感情にはどうしてもぐっときてしまう。しかも、それを言われた後の西村は、反対にめちゃめちゃ血が通っていた。

こんなご時世だけどというか、こんなご時世だからこそ、テレビが意外な方向性で面白くなっている気がする。

今日放送の『今夜くらべてみました』は、無観客で、あきらかにコロナ以降の収録と思われる。この日は菅田将暉、平野ノラ、そして平川美香が出演して、J-POPについて語り合う回だった。

こういうときだからなのか、ちょっとまったりとしていて、いつもよりも詰め込んだ感じもなく、雑談とか、そうだよねという共感でできているような作りになっていた。

あるときなんて、急にこの曲がいいという話になると、ディレクターが携帯で検索し、アイフォンから流れる音楽をそこにいる全員が耳を傾ける場面などもあった。いつもならガチガチに固めてしまうところが、緩い感じがところどころにあって、それがとてもいい。

ゲストのお気に入りの動画を紹介するときも、ただただうまい素人さんの映像を流すが、まったく有名ではない人の歌声が、妙に心に入ってくる。これは、こういう状況だから響くのか、それとも、こういう作りをそろそろ求めていたのだろうか。

ほかの番組にしたって、今の状況的に、あまりぎゅうぎゅうの作りはできないからこそ、ゲストも少なかったり、内容も、たくさん撮っていいところだけをギュっとつまむというよりも、わりとゆったりしゃべるようになっている気がする。

これは、コロナの流行が落ち着いたら、またせわしないものに戻ってしまうのだろうか。だとしたら、ちょっと悲しいものがある。



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