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踊るということ

初めてサルサに出会ったのはチェコだった。

プラハに滞在中にサルサバーへ連れて行ってもらったのが全ての始まり。
リズミカルな音楽と親近感の湧く歌声、
そして何より、踊っている人々が心底楽しそうで、
「サルサって楽しい音楽なんだ」
と漠然とポジティブな印象を持った。

その後旅を続け、メキシコに入った。
「メキシコシティの宿近くの公園でサルサを教えているおじさんがいる」
との情報を聞き
早速その公園へ。
すると本当におじさんが
おばちゃんやおじちゃん相手にサルサレッスンをしていた。
「私も習いたい」
と拙いスペイン語でおじさんにお願いすると
快く承諾してくれた。
全くの初心者の私を周りのおじちゃん達が練習相手になってくれて
手取り足取りリズム取り教えてくれた。

レッスン代はわすが200円程度だったと思う。
数日通ううちに顔見知りのおじちゃんおばちゃんもできた。
レッスンはいつも夕方にやっているのだが
土日は休みだった。
金曜日のレッスンの後、先生が
「明日はレッスンがないけれど、この公園の反対側の広場でサルサをたくさんの人が踊っているから参加するといいよ」
と教えてくれた。

土曜日の夜、言われた場所に行ってみると、その広場には見渡す限りの人!
そして鳴り響くサルサ!
女の人の円を男の人の円が取り囲み、
曲が変わるごとに男の人がずれて、
いろんな人と踊れるような仕組みだった。
おじいちゃんもおばちゃんも若い青年、
そして小さな女の子までみんな踊っていた。
見ず知らずの人同士だけれど
サルサを通して会話する。笑顔になる。
外国人の初心者の私とも踊る。

ただ踊りたいから踊る。
そこに上手い下手は関係ないのだ。
「この土曜の夜を楽しもうよ!」
そんな雰囲気だった。

日本ではダンスを踊るとなると、
恥ずかしさが勝つ。
どこか「上手い人だけが踊るもの」という価値観がある。
だからダンスのできない私は日本で踊ったことなんてなかった。

でもここメキシコでは違う。
ダンスが日常の一部なのだ。
大多数の人がサルサやバチャータなど何かしらのダンスができるし
音楽が鳴ればそれに合わせて踊る。
ただ音楽を楽しみ、ダンスを楽しむ。
本当にシンプルなことなのだけれど
とてつもないパワーを与えてくれる。
「踊ることはこんなにも楽しいんだ」
と私に教えてくれたのがメキシコシティでのサルサだった。

#世界一周 #女子旅 #サルサ #メキシコ

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