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コミュニティの力で患者さんに新しい選択肢を。患者SNSアプリ「ミライク」に込めた思い

株式会社Buzzreachでは、患者さん向けSNSアプリ「ミライク」を開発しています。テスト版アプリの運用を経て、2023年3月のサービス正式公開を目指しています。
より多くの方にミライクを知っていただくため、サービスに込めた思いや立上げの経緯について、ミライク事業部の立上げメンバーにインタビューをしました。

匿名で患者さん同士が繋がり合うQ&Aコミュニティ

ーミライクとは、どのようなサービスでしょうか?
海東:ミライクは、匿名性の患者さん同士のQ&Aコミュニティです。特定の疾患を対象としておらず、さまざまな疾患をお持ちの方にご利用いただけます。
疑問に思っていることについて質問してみたり、他の方の投稿で気になる内容があればコメントしたりして、コミュニケーションをとることができます。質問する際は「薬・手術」「生活・食事」「就労・お金」といったカテゴリーが選択できます。プロフィール機能をつかって、治療歴や服薬の情報を記録することもできます。

自分と似た境遇の患者さんと繋がることの難しさ

ー患者さんはどのような課題をもっているのでしょうか?
伊藤:インターネットを使えば、自身の疾患に関する情報を簡単に入手することができますが、正しい情報の選別がすごく困難です。また、患者さんと医療者との間に情報の格差があります。そういった背景もあり、患者さんは症状や治療に関して一生懸命調べてみても、本当に知りたい情報にたどり着くまでに、すごく時間がかかってしまっています。また、自分と同じ患者さん目線での情報も見つかりづらいという課題があります。

伊藤 学/株式会社Buzzreach ミライク事業部
セールス&マーケティング ストラテジック・マーケティング・マネージャー

伊藤 学(いとう まなぶ)
株式会社Buzzreach ミライク事業部 セールス&マーケティング ストラテジック・マーケティング・マネージャー

外資系医療機器メーカーにてMR職など約14年従事。外資系ヘルスケアエージェントにて医薬品マーケティングおよび経営職など約12年従事し、主に大型新薬のローンチプランなどを製薬メーカーへ販売。内資系製薬メーカーにて経営企画職に6年従事し、主に新製品のプレマーケティングや新設する広報・IR部門の立上げに深く関わる
2020年1月Buzzreachにてミライク事業の立上げに参画

伊藤:20年前に私の父が肺がんに罹患しましたが、最も必要としていたのは最新の情報でした。当時もインターネットはあったので文献などを調べてみましたが、知りたい情報が全然足りませんでした。医師に質問してみても、詳しい先生もいれば、まったく知らない先生もいて、どうしていいか分かりませんでした。当時と比べてインターネットが普及したことで情報量が増え、全世界の情報にアクセスすることができますが、患者さんやご家族が自分と似た境遇の人と繋がることや得たい情報にたどり着くことは、依然として難しいと感じています。

患者さんは、この先どうなるかを一番知りたいと思います。一方で「こんなことを人に話すとまずいかもしれない」「こんなことを聞いてもいいのかな」といった遠慮があります。そういった点も踏まえて、ミライクでは、先輩患者さんに本音で質問ができて、実体験を聞くことができるといったコンセプトを掲げています。

海東:治療以外に日常生活に関する情報も必要とされています。例えば、保険の加入や制度関係の手続き、乳がんの方が着用する衣服、歩行が困難な方は車いすや杖などの医療器具の情報など、症状と共に生活していくために必要な情報を届けていくことも大事です。
このような情報は、経験をした方にしか分からない面もあると思います。役所の窓口で手続きをした経験談や使用している車いすに関する情報など、実際に経験している方の声を届けることで、悩んでいる方の疑問を解消したり、行動を後押しできるのではないでしょうか。

海東 誠博/株式会社Buzzreach システム開発部 ミライク事業部

海東 誠博(かいとう まさひろ)
株式会社Buzzreach システム開発部 ミライク事業部

被験者募集を中心とした施策やコールセンターの経験から始まり、オンコロジー・希少疾患領域のメディアを通じての情報発信や被験者募集、イベント運営、調査などに従事。Buzzreachでは臨床試験マッチングサイト「Search My Trail」、患者SNSアプリ「ミライク」を担当。ミライクではアプリ開発の他、患者さんのインサイト把握も担っている。NPO法人難病ネットワークとしても活動中。

外部パートナーとも連携して、正しい情報の提供や安全なコミュニティを構築

ーミライクでは、患者さんに対してどのように正しい情報を提供していきますか?
伊藤:患者さん同士で、間違った情報のやり取りをする可能性もあると思います。医師による医療相談サービスや病院検索サービスとの連携、医療監修が入った正しいコンテンツの提供により、情報の質を高めていきたいと考えています。

ー嫌がらせや荒らし行為の心配があると思いますが、どのように対策をしますか?
海東:社内スタッフによる目視での監視や禁止ワードの自動検知、通報機能などで対策を行っていきます。またSNSの投稿監視を専門としている会社とも連携をして、皆さまに安心してサービスをご利用いただくための体制を構築しています。

情報収集の負担を軽減したり、よりスムーズな患者さん同士の繫がりを実現したい

ーQ&Aコミュニティでは、患者さんのどのような課題が解決できますか?
伊藤:ミライクを利用することで、自分と同じような体験をした方の話が聞けたり、経験者ならではの情報を得ることができます。自分と同じような方の体験談は、現状インターネットで検索したり、医療機関を通して知ることが難しい情報です。Q&Aコミュニティによって、患者さんの情報収集の負担を軽減したり、よりスムーズな患者さん同士の繫がりを構築できればと思っています。

海東:Q&Aに集まる生きた情報を、必要としている患者さんへ適切に届けていくことを探求していく必要があると思います。また、ミライクは特定の疾患を対象としていないため、さまざまな疾患の方にご利用いただけます。異なる疾患であっても、共通する症状があったり、日常生活を送る中で共通する課題をもっているケースもあり、疾患を越えて患者さん同士で繋がっていただくことで、新たな発見や課題解決に繋げていきたいと思います。

>>インタビュー後編「コミュニティの力で情報ニーズに応えることにより、患者さんの不安を解消したい」に続きます。


※(2022年10月17日追記)現在は下記募集を終了しています。
ご協力いただいた皆様に感謝申し上げます。

ミライクでは下記疾患の患者さん、ご家族を対象としたアプリテストにご参加いただける方を募集中です。
肺がん/乳がん/血友病/加齢黄斑変性症/アルツハイマー型認知症(AD)/脊髄性筋萎縮症(SMA)/視神経脊髄炎(NMOSD)
ご関心をお持ちいただける方は、URLより応募フォームをご確認いただけますと幸いです。
https://www.miilike.com/miilike/application-form-2/