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3ヵ月のESLを終えて

2月中旬から土曜日にESLに通っていました。
そんなESLも先日終了。
とても充実した日々だったので記録しておきたいと思います。
そして少し過去のことと絡めて自分の気持ちを書かせてください。


いざESLへ

移民の多いニューヨークではなんとか移民の方々に英語を話せるようになってもらいたいと無料のESLが数多くあります。将来先生になりたい人たちの練習の場としても使われており、WINWINの関係。上手なしくみになっています。そんな中で見つけたハンターズカレッジという大学で行われているESL。土曜日ということで少し悩んだものの、エブリディが休日であったことを思い出し申し込みしました。
(ちなみに今回の私のESLは3ヵ月で60ドルはかかる。)

一応夫にも「行ってみる?」と提案したところ、乗り気になったため夫婦で行ってみることに。ある日の土曜日テストを2人で受けに行き、夫はその場で「レベル6」(一番上のクラス)と言われ、私は少し判定に時間がかかるとのこと。後日結果は「レベル6」でした。
(これは後々いかに日本人が英語が話せない・聞けないかを知ることとなります。)

夫婦で同じクラスは嫌だったので事務局にメールしてもらいました。
結果点数の低いミクさんのクラスを下げますネときたので私はレベル5に。
後日、クラスメイトたちには「どうして夫婦で同じクラスで受けないのよ~」とか「どうして夫婦で一緒にお昼食べないのよ~」とかすごく不思議がられました。みんな人前で平気で手をつないだり、いちゃいちゃしたりラブラブなんですよね。(笑)
みんなからしたら不思議で仕方ないらしい。

いざ2月中旬。授業が開始しました。

クラス構成

まるでゴシップガールの世界からきたかのような超パワフルな先生がやってきました。
「遅刻厳禁!それぞれの意見はリスペクト!さぁ始めるわよ!!!」
直訳するとこんな感じです。

内訳は日本人2人・アジア系3人くらい・南米系いっぱい・ウクライナ人1人・ロシア人2人という感じでした。(ESLにいくつか通ってわかるのは南米系の方々がたくさんいるクラスの方が絶対楽しいです。本当に救われます。)

まずは日本人の男性に私、話しかけます。2人なんてベストです。1人だと心細いけど、3人以上になると固まってしまう。有難いことにこちらの男性の方も私と同じ気持ちでした。
「あの…助け合いませんか?」と声をかけると「そうしましょう!」とのこと。中には徹底して日本人と話したくない!という方もいるのでありがたいです。

そしてタイ人の女の子(以下Cちゃん)が牛角で働いているそうで、日本に馴染みがあるとのこと。「私達アジア人。仲良くしましょう!」と言ってくれて早速アジアチームを結成しました。もう1人インドネシア人の京都に留学に行きたかったという男の子(M君)もスカウトしました。
4人で何度かお昼ご飯を食べたり、コーヒーを買いにいったり、宿題を助け合ったり。一番思い出に残っているのは温泉の話。「日本には赤の他人と裸でお風呂に入るって聞いた」と2人が大笑いするので、「それは温泉というもので、最高に気持ちがいいのだ」と教えても笑いが止まらないご様子。まるで中学生が下ネタを言っているレベルなのがこちらはさらに面白い。「男と女は別?!」とにやにやして聞いてくるので「別よ」と言ったら「きゃー!!!よかった」というのでこちらが大笑いしてしまいました。
文化の違いですね。
なんで平気でおへそやお尻は見せて歩くのに、突然恥ずかしがるんだ!!!

富士山みながら温泉とか最高の贅沢なのにね。

はじめはそれぞれの言語や文化で決まっていたグループもなんだかんだ一緒に頑張ろうぜという雰囲気になってきて、クラス中はとても仲良くなっていきました。

余談ですが、M君は後日もう少し上のクラスに行きたいということでレベル6に。「私のハズバンドがいるから仲良くしてあげて」と紹介しました。M君と夫は15個くらい離れているのですが、共通話題も多かったみたいで夫を慕ってくれたみたいです。最後に「あなたとの最初の出会いを思い出す」って日本語を調べて夫に手紙をくれました。素敵な子でした。
彼もきっと遅れて上のクラスへの参加となったため、ドキドキしたのでしょう。夫のおかげでクラスに馴染めたのであれば、土曜日に夫を引っ張っていった私としても嬉しいです。

最後に夫の名前を書いて手紙をくれました。

グローバリゼーション?

ゴシップガール先生は社会派な話題が大好きなようです。
3ヵ月に渡ってディベートや勉強していく内容が決定しました。
「グローバリゼーション」
グローバリゼーション?

あまりいい大学を卒業していない私はゼミも非常に緩かったため、これは大学のゼミより難しい話題を英語でやるのではないかという危機を覚え始めます。ゴシップガール先生は興味のあるものがわかりやすくて、円安だの円高だの、東京の電車のラッシュだの、貧困地域だの、中国vsアメリカの貿易問題だの、そういう話題になるとすごい勢いでお話を始めるのです。そして最後には「ミクはどう思う?」

そして先生の大好きなTED TALKを毎回見せられます。
20分くらいの動画をみてディベートをしてください!と言われた時はパニックになりました。もう1人の日本人の方に「こうやって言いたいんですけど、どうしたらいいでしょう!」と大声で叫んだことも。(席が離れていたので)でもTED TALKは話題さえ選べば結構面白いものもあって、次第に15分程度のものなら7割くらいは理解できるようになってきました。

もはや笑えた宿題

宿題もかなり高度なものになっていきます。
15分のグローバリゼーションの動画をみて、全て英語で一語一句書きなさいという宿題は笑いがこみあげてきました。でもやってみて大正解。

翌週は1時間のグローバリゼーションの動画をみてディベート。
これも笑いが出るほど難しかったですが、やはりやってみて大正解。

宿題を乗り越えた先には結構英語がわかるようになってきました。

ただ私はエブリディがお休みなのでできること。
土曜日にきているということは多くの人が毎日働いています。宿題ができない人・朝早く起きるのがつらい人・ゴシップガール先生が厳しくてついていけない人・多くの人が脱落していきました。

なんと最初は25人くらいいた生徒たちも10人くらいに減ってしまいます。
「あれ、私達って頑張ったんじゃない?」とお互いが認識をした頃にはとても仲良くなっていました。

雰囲気だけでも!
お昼ご飯をみんなでカフェテリアで自然と食べるようになりました
(私は節約も兼ねてサンドイッチを持って行っている)

みんなで夢を語り合ったり、先生厳しいけど大好き!なんて話したり、グローバリゼーションの話題を助け合ったり。私達のレベル5はかなり団結していました。年齢も40歳くらいの方々が多く、落ち着いている人が多かったからかもしれません。(あとはやっぱりラテンのノリには何度助けられたことだろう!)放課後空いてる人たちと出かけてみたり、最高に楽しい3ヵ月でした。これがまた毎日となるとリアル留学になってしまうので、週に1回くらいでちょうどよかったのです。

ちなみに1番難しかった課題はこちら。新聞記者になりきって、この質問を1時間お互いしましょう!というもの。
「あなたは他の国で働いてよかったですか?」から「不法移民に私達ができることはなんですか?」など。「あなたの国では移民についてどういった対応がされていますか?」もある。日本では…と説明するのはとても難しい。
さらに、難しいのはほとんどの人が本当に「移民」である点です。
誤解を生まないようにしないと非常に傷をつけてしまい兼ねません。

デトロイトとグローバリゼーション

グローバリゼーションと言っても色々あると思いますが、最初の1ヵ月みんなでしていたディベートは主に国際交流。アメリカに住んでよかったこと、今後自分の住んでみたい国(私の場合だとフランス)、フランスで何をしてみたいかなど。話していて未来があって楽しいものでしたが…。

2カ月目に突入すると「push factor」と「pull factor」になりました。その国を出る理由と新しい国に行く理由。主にpush factorはやはり貧困や仕事がないなどネガティブな面。pull factorはお給料アップや留学などポジティブな面。1枚の絵を見せられてどう思うか?などをディベートしました。

こちらはメキシコとアメリカの国境の絵。それぞれ忖度のない意見を言い合いました。

日本の場合だとpush factorはあまりなくて難しい話題ですよね。家に帰って整理する際、日本のバレリーナで考えると少し理由がわかりました。バレリーナだとpush factorは大きくあるかも。(日本のバレエ団だとお給料が出ないと言われている)

3ヵ月目になって出てきたお題は「貿易の勝者・敗者」。明らかにそれぞれの国で差がでてしまう貿易は今後必要なものなのか?私はまさにデトロイトシティを思い出します。デトロイトシティで考えると貿易によって車産業が衰退してしまったため敗者。日本は勝者です。そんな話も少しでました。中国vsアメリカについて考えるにあたっては、アメリカで作られた動画を見たのでアメリカ寄りの動画で先生も少し苦笑していました。
「あら~。アメリカ人が作った動画だからね。こういうところあるからね、アメリカって」と。

結果、本格的なゼミではないので結論は特に出していません。でもセンシティブな内容をクラスメイトたちと正直な思いで話した結果、本当に本当にお互い信頼関係も強くなっていったのです。
全てはゴシップガール先生のおかげ。上記の発言からもわかる通り、中立の立場を守り、全ての国や文化をリスペクトしてくれている。そしてすごく勉強されている方なのでしょう。1人1人の意見を真剣に聞いて、絶対に批判することはありませんでした。

みんなで見に行ったダンスパレード!
色々な国の方々が楽しそうに踊っていました。

やっぱり陽気なラテンのノリは最高!

約1年前に行ったESLでも南米系の方々には助けられました。

今回もやはり陽気でおもてなしの精神がすごいメキシコ人・ペルー人・みなさまにたくさん助けてもらいました。私は何度かこのブログでも言っている通り、陽気なノリが実はとても苦手なのです。音痴だし、テンポが遅いので踊りとかノリとか人より一歩遅れるから恥ずかしい。見ている分には楽しいので黙っていると、たいてい日本人って気遣いあって「ミク楽しんでる?」みたいなこと聞かれちゃって。そうやって言われるのが嫌なので無理やり楽しむことになってしまうのです…が。
ラテン系の人達のノリは「自分が楽しくこと」に重きを置いていて、変な気も使いあわないから楽だなと思います。私が黙っていてもみんな勝手に踊っているし、私がちょっと仲間に入ろうとするとどんなに音痴でも絶対盛り上げてくれる。

ラテンダンスの練習中。
ちなみに日本で全員で踊るダンスは何?と聞かれたので盆踊りを教えておきました。
ラテンミュージックで盆踊りを踊りました。めちゃくちゃ楽しそうに踊ってくれて、ちょっと日本の盆踊りとはかけ離れていたけれど、嬉しかったです。
これはほんの一部。ケーキはなんとパーティーに出席しない人が持ってきてくれました。
すごすぎる。
私はチョコパイを持っていきました!
(ロッテはジャパニーズで大人気のお菓子なんだ!と説明しました)

パーティーへの本気度がすごすぎますよね。昔なんでここまでしてくれるの?って聞いたら、「ありがとう、って笑顔見せてくれたら自分がhappyになれるから自分のためにやっているのよ」と教えてくれた人がいます。ちなみに超日本人なうちの母親もこの精神が強めです。うちの母は実は中南米出身なのか!?
あとは小さい頃から何かあるごとに持ち寄りパーティーをしてきて、みんなでたくさんのものを持ち寄るのが当たり前だったとか。

最後にpartyを終えて、イーストビレッジでウクライナフェスをしているいう情報をウクライナ人の女性が教えてくれて何人かで行くことにしました。

凝った刺繍のブラウスやレース、素敵なアクセサリーなどを販売中。
素敵だな~と見ていたら「これは観光地価格ね、辞めた方がいいよ」「これはウクライナではすごく人気な柄なのにこの値段は安い!」と教えてくれたり。やっぱりその国の人に教えてもらう生の文化は楽しいですよね。模様の意味も教えてもらいました。我々もたくさん日本のことを説明しました、この3ヵ月。何度説明しても温泉は下ネタ化してしまいましたが…。(笑)

よく頑張ったぞ、自分!
そして平日は仕事で忙しいのに土曜日も早起きしていった夫すごすぎ!

できることとできないこと

で、結論として。英語のリスニング力はかなり上がったと思います。あと勉強方法もゴシップガール先生に教えてもらえたのでそれもよかったです。これから少しずつTED TALKは毎日みよう。

でも先生に「9月からのセメスターもくる?クラスはどうしても上のクラスに行きたかったら推薦してあげる。でも私はあなたはレベル5にいてもう1度できることから積み重ねた方がいいと思うんだ」的なことを言われました。確かに咄嗟に言葉は出てこないし、このままレベル6に行っても浮いてしまいそうです。というか、この結末。最初のレベル6判定はどういうことなんでしょう?(笑)日本人は文法とライティングだけはできる説、改めて実感。先生には上のクラスに推薦しなくていい旨を伝えました。レベル5ステイです。最後に「あなたの英語自体は別に間違ってないのよ。でも自信がなさそうに話すから、そこもちょっと…」ということでレベルを抑えて勉強したほうがいいみたいです。ゴシップガール先生、ちゃんと1人1人をみてくれています。

やっぱりね、私は勉強ができない。悲しいかな、勉強のセンスがない。あと集中力もない。(←これが一番)だけどそんなの自分が何年間も一番よくわかっているから、どうやってできないなりに人に助けてもらうかだけは一生懸命考えている(つもり)例えば笑顔を絶やさないとか、ネガティブなことを英語で言わないとか。
逆に夫は勉強はすごく好きらしいけれど、私みたいに常に笑顔でいるとか自ら輪に入っていくとかそういうことは難しいらしいです。

できることとできないことって人ぞれそれ違うんだなぁと改めて実感しました。私からしたら「ただ笑って輪に入ればいいだけだよ!?」だけど、夫からしたら「ただ勉強したらいいだけだよ!?」なんですよね。
(夫はそんな自分を変えたくて、私に引っ張られてこのESLに参加しました。驚くくらいとんちんかんなこと言い出す私だけど、ただ笑って輪に入れる私のことを尊敬してくれているそうです。)

なんだか夫婦で一緒にESLに行って、国際交流をしてみて、お互いの文化を尊重し合って、そこも勉強になりました。夫婦間だけの話ではなく、それは今後また世間に戻った時にそれぞれお互いできることを尊重し合いたいものです。

私、かぶれたな(笑) もし知り合いがこのブログをみていたらこれつっこむところです

その昔「目に見える素晴らしい何かを持っていない」的なことを信用している人や友達に言われたことがあるんです。学歴とか会社とかね。その時、私言い返せなかった。(そしてそれを5年くらい経った今も根に持つほど悲しかった)それは自分が一番そうだと思っていたから。だけどもし今言われたら「そうですか」って言って席を立ちます。今も持ってないですけど、なにか?って。そりゃあっと言わせる資格でも持てれば一番いいんですけどね。でもこれだけ悔しかったのに(5年も引きずるほど)そこまでの挑戦をしなかったのはやっぱり私にはそこまでの努力ができないってことなんです。できなくていいと思います。まぁそれが私です。
なんだか「成長」をひたすら求める現代に、私は私らしくしてればいいやっていう結論を出しました。得意分野はきちんと伸ばしていきたいです。

ありがたいことにニューヨークに連れてきてもらって、こんなたくさんの経験ができてたくましくなりました。5年前の悲しかった気持ちもようやく清算できた気がします。

私は欲張りなので、まだまだニューヨークで色々経験していくぞーー!!
あと1年です。まだまだここに書いていくので、時々読んでもらえると嬉しいです!

ある日のNY(白黒にするとサマになる)
ある日のタイムズスクエア














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