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彼女ノオト。#001/大丈夫。その身を委ねてみて。

彼女の目は、私の「絵」を明確に捉えていました。
その「絵」は、私の宝物でもありました。

その「絵」は、せわしない日常で鼓動が乱れた私を、
いつも「その場所」へ連れて行ってくれました。
コンマ何秒かの差で。
脈打つ振動が微かに変化するのです。

その「絵」を、誰かに見せたい気持ちもありました。

でも、大切にしているそれが、誰かの目に触れた瞬間、
思わぬ拍子で地に落ちてしまったら?

誰かと、一緒に、この「絵」を見たいけれど、
きっと、私にしか見ることができないのだろう… 

とか、

そんな事を考えていました。

ところが、
彼女の目は、私の「絵」を明確に捉えていました。

彼女とのたった一度の対話のさなか、私はすっかり、
『My Life(私の人生)』とも呼ぶべきタイトルの映画を制作してしまいました。

その様はまるで、来ては帰りゆく波打ち際が、
過去、現在、未来の境目を不用意に溶かしていくような感覚でした。

私の「絵」には、時の流れに沿った幾多もの「絵」が重なり合っていたのです。それらが一枚一枚ひらひらと離れていきつつも、映画のフィルムのように連なり、映像のようになり、
エンディングが、まさに、その「絵」だったのです。

彼女は私と共にその映画の世界に没入していました。
そして、そこで、その「絵」を明確に捉え、
私が「その場所」へ「本当に」行ける「道しるべ」を示してくれたのです。

その途端、その映画は瞬く間に現実世界との境界線を無くしました。
私はついに「生きた英語」というものを、
本当の意味でこの手で掴むことができるのだと予感しました。

Photo by miiko

英語に関する、置き忘れてきた、
ありとあらゆる感情をあぶり出すプロセス。
彼女は、その感情の全てを繊細に受け止めてくれました。
そして、不安や疑念という少々厄介な感情は、
彼女が傍らに居てくれている感覚だけで、武者震いに変わりました。

「もう、これからの人生は、やりたいことしかしないって決めたんです。」
彼女は私に力強く語りかけてくれました。

かつては、バックパッカーとなり世界をまたにかけた少女。
その後、25年以上国家公務員としてのキャリアを積むも、
英語コーチとしてこれからの人生を全うする決断をした彼女が、
己の傍らに居る、ということ。

一度、この世の深い悲しみの淵に立ったことのある彼女だからこそ、
人々の夢を夢で終わらせることはできないのです。

多くの見えないものを見てきた彼女の目には、
私が描く妄想の「絵」は、待ち受ける本物の現実としてしっかりと映し出されているようでした。

この世は、私達が想像しているよりも、ずっと、無限の可能性に満ちている。

そんな確信めいた心持ちで、英語のその先にある夢に、
もう一度、本気で向き合いたい人々へ。

大丈夫。その身を委ねてみてください。


本日の彼女 #001
Sumiyo Fukuyoshi / 英語コーチ

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