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真夜中の桃太郎電鉄

我が家はゲーム機よりパソコンが世の中の家庭より早めに導入されていたので、ゲームをやる習慣がありませんでした。

その中でも楽しい記憶があるのが桃太郎電鉄です。

「ヤフオクでファミコンと桃鉄を落札したよ!」
大学を卒業し冬を迎えたころ、コタツを出した私のアパートに大学時代の友人が集まりました。
友人たちとは軽音楽サークルで知り合い、合宿で夜を明かし、何度も酒を飲んで酔っ払い、いろいろな表情を見せあって過ごしてきた仲間です。

私のアパートを訪れた友人たちは夕ご飯用に温かいケンタッキーをテイクアウトしてきてくれました。

そして始まる徹夜の桃太郎電鉄。

私を含め、2人はすでに社会人になっていましたが、まだ大学生活を謳歌している友人もいたので、休日に彼らと会うと学生気分を味わうことができました。おかげでまだこんなバカな遊びもできる。

スーパーファミコンと桃太郎電鉄のソフトをテレビにつなぎ、コタツの上にケンタッキーを広げ、酒を並べる。すごく幸せな気持ちになり、「なんだか幸せな家族みたい」という言葉が漏れました。

終わるわけがないのに99年設定にして始まります。 

それからは酒を飲みながらケンタッキーをつまみ、コントローラーを握ってひたすらサイコロを投げる。
私は桃鉄初心者でしたが、中にはすでに99年クリアしたことのある猛者とかもいて、どこの物件を買ったら得か、カードは何を持っていたら得か、なんてことを網羅しているんですよね。それでもボンビーがキングボンビーになってその猛者をボンビラス星に連れて行ったりするから面白い。

結局完徹できずにみんな最後は深夜にやっていた海外ドラマのSATCなんかを観てうとうととコタツの中で眠りについていました。

翌朝、昨晩食べ残した冷えたケンタッキーをもそもそと食べながら「貧しい家族みたいだ…」と呟いたりしたのもいい思い出です。

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