木川みく

1990年 静岡県生まれの画家。武蔵野美術大学油絵学科卒▷多摩美術大学大学院 絵画専攻…

木川みく

1990年 静岡県生まれの画家。武蔵野美術大学油絵学科卒▷多摩美術大学大学院 絵画専攻油画領域修了

最近の記事

個展“遙拝” ステートメント

注)このnoteは、2023年10月7日〜13日に開催された個展“遙拝”の会場で配布していた文章に写真を加え、再編集したものです。 ・本展のタイトル「遙拝」について〜富士山信仰の歴史 噴火の降灰によって木の葉がボロボロになった –––『続日本紀』781年 昼夜雷鳴が轟き、灰が雨のように降った –––『日本紀略』800年 8世紀末から200年の間、富士山は噴火を繰り返す活火山であった。たびたび噴火する富士山に、人々は怒れる神の姿を重ねた。864年の大噴火で、人々は富士山を

    • 私が絵を描く動機について(加筆修正版)

      【これは、2017年の個展の際に書いたことばの加筆修正版です。はじめて私の作品を見てくださる方への、自己紹介文です】 私は、一見するといわゆる“カワイイ”とされる表現で、絵を描いています。 大きなおめめがキラキラ、ウエーブした長い髪、やさしいほほえみ。 でも、少女漫画や夢のようにかわいい雰囲気が特別好きというわけではありません。 特別に好きなものはホラー映画とアクション映画、クラシック音楽、お酒とおつまみ、推し(某男性アイドルさん)、それからすべての犬。そんな人間です。

      • さよなら、おひめさま

        2015年から続けてきた"おひめさまにがおえ"を、やめることにしました。 いま、自分が表現したいことはなにか。作家としてこう思われたい。こうは思われたくない。そういった理想像がだんだんと変わってきたのが理由です。 にがおえを描きはじめたのは、2013年2月の初個展のとき。 当時は、"おひめさま的存在"を守りたい、かわいいものが好きという気持ちを肯定したい、という気持ちで作品制作をしていました。 来場者の皆さんをおひめさまとして描くことで、そのコンセプトがより伝わりやす

        • complement - 個展を終えて

          2017年8月30日〜9月4日、代官山、ギャラリー子の星にて 個展を開催いたしました。 雨や風の日もありましたが概ね天候に恵まれ、6日間で、150名以上の方にご来場いただきました。お忙しい中ご来場くださったみなさま、ありがとうございます。 会場では、おひとりずつ(または、大勢の方には一斉に!)、今回のコンセプトや作品について、また、作家自身の生い立ちや想いについて、詳しく説明させていただきました。 ・写実絵画にあこがれて、美術の道に進んだこと。また、その為に進路を選び

        個展“遙拝” ステートメント

          complement - 私が絵を描く動機について

          私の絵は、漫画に出てくるような、キラキラした瞳の少女がにっこりと微笑んでいるものばかりです。 現実からはとおくかけ離れた世界の、夢のような絵...そういった印象を受けている方も、いらっしゃると思います。 ですが私は、少女漫画のことが、特別に好きというわけではありません。 懐かしい!ともよく言われますが、そもそも平成生まれの私にとって、キラキラおめめの絵柄は、懐かしくもなんともないのです。 私が描きたいのは、私の身のまわりの世界や、そこに存在するひと、つまり、あなた。 私

          complement - 私が絵を描く動機について