見出し画像

complement - 個展を終えて

2017年8月30日〜9月4日、代官山、ギャラリー子の星にて 個展を開催いたしました。

雨や風の日もありましたが概ね天候に恵まれ、6日間で、150名以上の方にご来場いただきました。お忙しい中ご来場くださったみなさま、ありがとうございます。
会場では、おひとりずつ(または、大勢の方には一斉に!)、今回のコンセプトや作品について、また、作家自身の生い立ちや想いについて、詳しく説明させていただきました。

・写実絵画にあこがれて、美術の道に進んだこと。また、その為に進路を選び、描き続けていたこと。
・そのうちに、いわゆる"写実的"なモチーフや描き方に対して違和感をおぼえはじめ、自分にとって嘘のない、本当の写実絵画を追い求めはじめたこと。
・いまの自分の絵は、かつて描いていたいわゆる"写実的"なものよりも写実的であると胸を張って言えること。また、写実絵画を描こうとすればするほど、世間的な"写実絵画"のイメージから離れていくこと。
・"かわいい"ものを描こうとしていないのに、そのようにカテゴライズされることに違和感を感じていること。また、その誤解を解くために動きはじめたこと。

辿々しく、お聞き苦しい箇所もあったかと思います。
ですが、お話ししたのは本当の気持ちです。作品を見ただけでは決してわからない部分を、言葉で補うということ。それを人に伝え、理解してもらうこと。それは、絵を描き、考えることばかりしてきた人間にとっては少し難しく、勇気のいることでした。
でも、作品の性質上、言葉を発しなければ、真意が伝わらない。このまま無言で描き続けたら、"夢のようなかわいい絵"を描きたい人、だと思われてしまう。私のやろうとしていることは真逆であり、真逆だからこそどこまでも美しく優しく、縋る価値があると思っています。
だから、私はこれから作品をつくることはもちろん、作品について"話す"ことを続けていきます。


今回は、画家として再出発するという意識のもと、自己紹介をしているつもりで空間づくりをしました。今回の展示の概要を理解することは、今後私の作品を解釈する上で必須であると考えています。
もちろん、生の作品の前でお話できるのが理想ではあるのですが、今回の個展についてまとめたものを後日なんらかの形で共有したいと思っております。
展示に来られなかった方にも、私の作品について理解していただけるように...
また、いらしてくださった方が、いつでもあの空気のなかに戻れるように。

今まで何度も展示をしてきましたが、今回はそのどれとも明らかに違う、特別な位置づけのものでした。はじめて声を出したような気持ちで、いまはとても清々しいです。
自分のために、自分の作品を好いてくださっている人のために、そして、これからみく・ふらんそわ〜ずという画家について理解しようとしてくれる人のために。なるべく鮮明に、記録しておきたいと思います。

まずは取り急ぎお礼まで。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?