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太陽のパスタ、豆のスープ

私が私に殺されそうなときがある。

自尊心がじゅくじゅくと浸潤してきたり
差し伸べられる手を拒んで愛情を試してみたり
私のことなんて誰もわからない、と悲劇ぶったり

私が私を傷つけて、幸せから目を背けてしまう。

やらなければいけないことを必死に追っていくうちに
いつの間にか一人になっている。

だから、幸せだと断言できる覚悟に、一人でも立っていられる強さに、とても憧れるのだと思う。

「太陽のパスタ、豆のスープ」

美味しそうなタイトルとあたたかな黄色。

婚約破棄された主人公が、もう一度自分と人生について見つめ直す。なんてことはないストーリーだったけれど、言葉が瑞々しくて、自分と重なる部分も多くて、感想をnoteにメモしていた。

心に残っているのは、苺をぐちゃぐちゃにして、練乳を混ぜて食べるところ。

美しい苺のままじゃなくて、美味しく食べるには色々な味を足さなくちゃいけない。

理想と現実が分かってきて、折り合いをつけるのか

苦しさや孤独と引き換えに夢見る人のまま生きるのか。

後者がいいとかそんなことではなくて、きっとどちらを選んでも幸せになれるし不幸にもなれる。

選びとる覚悟と、高慢な自分に向き合うことと、正解にする強さを持っていれば。

複雑で芳醇な、色々なものが溶け合う味。

自分がのっぺらぼうなときには恐怖してしまうけれど、
ゆったり味わってくれる誰かがそばにいれば、私はまだ殺されない。

そして摘み取られた苺からすれば、
そんなことどうでもいいのかもしれない。


楽しむこと、長く続けること

私にとってはまだまだ難しいけど

まずは私を攻める私をスープに溶かして

今日のおひるごはんに食べてしまおう。

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