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再会

彼(たぶん)は、今日も例の場所でわたしを待っていた。

昨夜と同じ、涼しい顔で。

でも、今日のわたしは違う。
今日のわたしは、ちゃんと備えてきた。
娘1号と、スプレー、そしてやる気満々でスタメンに立候補してきた愛犬。



でも、備えてたのは彼も同じだったのかも知れない。


攻撃体制を整えてきたわたしたちにも動じない彼は、なんと昨日よりも素早くスプレー攻撃をかわし、あえてスプレーがかからない裏側をチョイスして颯爽と逃げ回る。

1号が携帯のスポットライトを浴びせると、向こう側の壁には、さながら華麗に逃走するルパンのような彼の影が映し出された。


ひぇ。完敗である。


最後には、ゴミ捨て場のすのこの中に入り込まれてしまった。

わたしたちには、すのこを動かす勇気もゴミをどかせる勇気も無く、半分以上無くなったスプレー缶を虚しく持ち帰った。

立候補した彼はというと…。

チワワだし、大して期待はしてなかった。それどころか、なーんの役にも立たず、ずっと抱かれたままで反対に邪魔になっていたようにも思う。
なぜ準備体操までして張り切っていたのかは不明だ。


とにかく、今日こそ彼とキチンと別離を迎えたかった。

ホントに。

そして、早く、ゆっくり寝たかった。

もう、待ち伏せはしないでほしい。

おねがいだから。




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