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【3分で曲紹介】言葉遊び巧みに"個性"をディスる!? ドレスコーズ「エゴサーチ&デストロイ」

曲でも聴きながら読んでってください!

「個性の時代」への警鐘を鳴らす

この曲のテーマはずばり「個性」です。
ただ、「個性を大事にしよう」というありふれたメッセージではなく、
誰もが個性を追い求めすぎる時代への警鐘ではないかと思います。

あいまい 'me' とは 誰かとの相対
あいまい 'me' とは 「誰か」とは そう、他人

「個性を大事にしよう」なんてことが叫ばれて久しいですが
誰もが他の人とは違う個性的な自分を追い求めた結果、
かえって他の人との違いがあいまいになってしまったという訳です。

金子みすゞやSMAPに代表される「個性の時代」

1番のサビにこんな歌詞があります。

いい加減に終われ わたし・オン・パレード
きらめくイタさと小鳥と鈴と

「みんなちがって、みんないい」
この言葉を聞いたことがある人は多いと思いますが、
この言葉は金子みすゞさんの「私と小鳥と鈴と」という詩の一節です。

違いを尊重し合うのは大事ですが、他人と違う私を主張しすぎるとただのイタい人です。金子みすゞファンに怒られそうな引用の仕方ですが
「わたし・オン・パレード」という歌詞といい、皮肉の効いた言葉遊びになっています。

それだけでなく、2番のサビではこう続きます。

日陰に追われ 妬み・オン・デマンド
そこに咲くぼくは おなじみの花

"おなじみの花"というフレーズは、
SMAPの「世界に一つだけの花」が連想されます。
SMAPを批判しているわけではないでしょうが、誰もが個性を追い求める時代において、自分がオンリーワンであると思えるだけの個性を手にするのは大変なことでしょう。

金子みすゞさんやSMAPに代表されるように、これまでは個性を尊重する時代でしたが、これからは個性を追い求めない考え方も必要かもしれません。

これからは「普通」を認める時代かもしれない

個性を尊重することは大事ですし、個性を追い求めることを批判するではありません。ただ、誰もが個性を主張する時代において、個性を追い求めすぎてさまよわないよう「普通」でもいいんだという心構えをもっても良いのではないでしょうか。

「エゴサーチ」とは、GoogleやTwitterで自分の名前を検索して自分の評判を調べる行為を指します。あらゆるものがネットでつながった時代を象徴する行為ですが、他人の評判を気にしなくなったときこそ、自分を尊重できるのかもしれませんね。

個性だなんだと小難しい話をしましたが、
曲自体はアップテンポで言葉遊びも面白く聴きやすい曲です。
気に入ってもらえたらうれしいです!

ここまでお読みいただきありがとうございました。

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