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みいふう書翰のこと

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〈みいふう書翰(しょかん)〉についての記事です。
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#コーヒー

にこのお茶会

にこのお茶会

あなたは
待ち続けて
くたびれ果てた
私を
風に乗せてくれる

当然のように
丁寧に
美しく
まるめこんで

待っていました。
いろんなもやもやを抱えたまま。
ある日、
花のような香りのコーヒーに、
逢いました。
コーヒーの香りが、
私の全部をふわりと包んで、
さらりと春に乗せました。
幸せになりたい人と、したい人。
一緒に、春のお茶会。

こちらの絵と詩…季節が春、ですが…
(「にこ」は、このう

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10月の手紙

10月の手紙

いつもの席に座ると
コーヒーの香りがして

窓の外に
わたしの外に
一瞬が
にぎやかに
静かに
美しく

ひとつ ひとつ
過ぎて行きます

一心に巣を張り直す蜘蛛
ツバメのいなくなった空
ぽとん。

地面にたどり着いたコナラの実

コーヒーカップから漂う湯気の白

コーヒーの中に
この一瞬に
わたしは
はかなく 
透明に
混ざり合い

ひとつ ひとつ
過ごしています

詩は2011年10月に

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コーヒーのじかん

コーヒーのじかん

ぽつ ひとつ
わたくし ひとつ
ぽつ ひとつ
いすにすわりて
ぽつ ひとり

あたまのうえを
ぽつ ひとつ
くもがながれる
ぽつ ふわり

うちゅうのなかに
ぽつ ひとつ
わたくし ひとつ
ここにいて
コーヒーひとくち
のむところ