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職場のこと・・・⑤これでよかったんや

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さて、私に起きた不安と焦り、恐れ、ありとあらゆるマイナスの要素がやってきた!!
オーナーに相談すればよかったのに、その頃の私は、オーナーは改装と宿泊の登録のことで頭がいっぱいで無理だと思い込んでいた。
実際、オーナーに
「コーヒーの淹れ方を練習しませんか?」と聞いてみたら
「今は他のことで頭がいっぱいで、入らない」と言われた。

なんて正直な人!!

それでもオーナーはカフェの運営について考えていて、私に提案をしてきた。
◉シフォンケーキをゲストハウスと連携しているお店のものでだす
◉ランチはちょっと高めの弁当を探し、予約でだす。

まず、ケーキを焼かせてもらえないことがショックだった。そして、ランチを作ることも拒否されたような気がした。
でも、それも当然かもしれない。
私から、これを作りますという提案を出せなかったのだから・・・頭の中で、これはどうか、あれはどうか、と毎日考えていたけれど、実際作ってみることもせず、自分なんて、大したものは作れない、夫は私の作るものを褒めることは滅多にないのだから、どうせ美味しくないって言われる。
ヒレカツが美味しかったって村の人が言ってくれたのに、それをメニューにすることも躊躇してしまった。いったい、いくらの値段をつければいいのか?ってそれもまた悩みの元。

カフェをやりたいと思っていた訳ではなかったけれど、もしやるなら、自分が食べたくないものは出したくないと思っていた。
当然、無農薬、こだわりの調味料、手作り。
ところが、オーナーは違っていた、
◉最初はこだわりはいらない、普通でいい
◉今はホテルでも冷凍を使ってる、美味しい冷凍食品を使えばいい
◉味噌汁は時間がかかるからいらない

手作りの朝食を出したときにお客様がとても喜んで下さり、味噌汁をおかわりされたことや、子供でも野菜のあえものや、煮物を喜んで食べてくれたことを思い出し、合点がいかなかった。ランチで日替わりメニューを和食でって考えもあったけれど、それを聞いた時、そうするのは無理と決めつけ、その事について、私はオーナーと話し合うことをせず、ただ、はい。と飲み込んでしまったのだ。

こだわりについては、初めて揃えた調味料は全て自然のものを買っていたけれど、経営者からすれば、最初からお客様がどんどん来られるわけがなく、そこで経費削減したいと思うのは当然。これも、はいと、言う。

冷凍食品は、パスタを冷凍物で出せばいいと言われたのだけれど、何がいいのか探す時間を作れず、未だ検討中。

そんなわけで、オーナーからの提案は全て私の考えに反していた!!
ここで働きたいと言う私の判断は間違っていたのか?
彼は、言っていたじゃないか!?
「ミエさんのやることに口出しはしたくない」
「ミエさんのできる範囲でやればいい」
オーナーは嘘つきか?

経営者とはそう言うものか?
不信感が募る・・・

「ミエさんは店長さんですから」
って言っていたなー
そう言われたから、カフェの運営については全部考えなければならないって思ったのか。
とにかく、疲れていた。
思うように進まない事に。
そしてそれはオーナーも同じだったに違いない。

4月後半、カフェのメニューを考えられず、ずっと先送りにしながらも、他にできることをしている時、Tさんから紹介された紅茶の発注先のシエナさんと会う事になり、店に来て下さった。


キッチンカーで販売
滋賀の無農薬栽培、和紅茶

その彼が自分の極秘のレシピを教えてくれたのです!!
それがクロワッサンサンドでした。
もちろん、即作ってメニューに入れることにしました。


クロワッサンサンド、ヨーグルト、サラダ付き

彼が教えてくれたのは、スープをつける、だったのですが、スープを入れるちょうどいい器がなくて、ヨーグルトに変更。上にかかっているソースはブルーベリーですが、今は店の近所の方にいただいた梅サワーで作った梅ジャムをのせています。ドレッシングは手作りのにんじんドレッシングにしたのですが、これがクロワッサンと野菜に相性ピッタリでした。

このことは、私を元気づけてくれました。ありがとうございます✨

そうして、コーヒーやお酒の仕入れ先も決まり、ケーキは、シフォンだけでなくもう一品欲しいけど、冷凍でいいか?と思いながらも、やはり、私のケーキを出したい・・・とガトーショコラを焼くことを許してもらった。


甘酒、米粉入り、ガトーショコラ

こうしてちょっとだけこだわった、オープンメニューが決まりました。

連休くらいにオープンすると言っていたのに、オーナーは決めかねていたようなので、私から
「5月9日か10日にオープンでいいですか?」と聞いてみた。
連休はゲストハウスのお客様もあり、オーナーは忙しそうだったから連休明けがいいと思った。
「いいよ、考えていても進まないから」
と、自分に言い聞かせるように答えるオーナーの返答になるほど、と思い、それなら、と9日にした。

派手な告知は何もなく、インスタにあげて、数人の友人にラインで伝えただけ。
オーナーは誰にも言わなかったらしい。村の人もいつオープンなのか知らなかった。
今になって、その理由がわかる。
完璧ではなかったから

オープン当日に驚いたことがあった。
最初に来られたお客様はインスタでオープンを知り、映画を見にいった帰りに立ち寄ってくれたのだけれど、その顔を見てびっくり!!
彼女は開口一番
「なんでここにいるん?」
と。それはこっちのセリフだ・・・お互いどうしてここで出会ったのか不思議だったけれど、オープン初日に誰もこないだろうと思っていた私はすごく嬉しかった。そして、その後また友達が2組来てくれたけれど、この陸の孤島のような人が寄り付かない場所に誰かがふらっとやってくることは奇跡に近い。

オーナーと私は、コミニュケーションが全く取れていなかった。表面で合わせていただけ、お互い思っていることを正直に話せなかったから、何を考えているのかわからなかった。その後もカフェのお客様はほとんどなく、オーナーの経営する別のゲストハウスの宿泊の方の朝食もそれほどなかった。そして何より、カフェの2階の宿泊の登録が進んでいなかったので、湖桑庵の宿泊のお客様が全くいなかった。

何かがうまくいっていなかった。それでもカフェを営業する以上は、最低限の仕込みはしなければならない。
ロスが出る。私のせいだと思った。
そんな時、オーナーは
「カフェのお客様は最初からそんなにこない、けれど、ここは素晴らしい場所だから、将来は間違いない。今はあちらのゲストハウスの収入があるから、気にしなくてもいい」と言われた。

そのうち、新たな宿泊の登録や、管理もするように言われ、それが私を余計に疲れさせた。
パソコンの画面に向かって、わからないことを、電話で聞きながら進めていく、
昨日やったことも忘れてしまうのに、なぜやっているのか。断ることができない自分の弱さに気づく。
これを喜んでやる方法はないのか?
それでも少しづつでも進んで、登録ができた時は嬉しかった。

カフェのお客様は徐々に増え、宿泊のお客様もこられるようになった。
そんな時、私の勘違いとオーナーの思い込みで、問題が起きた。
私たちは、ゆっくり話し合って、お互いの間違いに気づいた。私は、これまで今回と同じような間違いを何度繰り返してきたのだろうって思うほど、私の性格のいい加減さを思い知った。

これを気づかせてくれたオーナーはすごいと思った。
彼は決して声を荒げる人ではない、誰かのせいにする人ではない、自分を反省して、どうしてそうなったのか、考える人だ。
私のような、自分勝手な人間を、よく解雇せず、雇って下さっていると思う。
そして、私も、こんなはずではないと思いながらも、よく続いているものだと思う。

それは、やはりこの環境、琵琶湖と山の自然が癒してくれるから。
ここにきたのは間違いではなかった。
ありがとうございます✨

オープンしてから半年以上たち、すべてがうまくいっていると思えるこの頃、焦るほどの人が来られることもなく、お客様との会話を楽しむ余裕もあり、オーナーとのコンビネーションもうまくいくようになった。


店の近くの湖岸

長年の友達がふらっと一人できてくれた
その友達に、ここで働いていることを言っていなかったのは、お互い最近まったく連絡をとっていなかったのと、お客様が来てもうまくやれる自信がなかったから。

彼女は、別の友達から聞いてきてくれて、
「あのな、じゅんちゃんが、みえちゃんのこと知ってるか?って教えてくれたんや、じゅんちゃんはもう5回も来てるって言ってたから、私も行かなあかんと思って来たんや」
「こんなところなら、毎日でも景色を眺めにきたいわー」
と。
わたしは、一人でやるはずではなかった事や、すごく落ち込んで疲れていた日々のことも話し、そんなことを言える友達が来てくれたのがすごくうれしかった。
そして
「みえちゃんならここがふさわしいし、合うと思うで」
と言ってくれた。

ありがとう

最初から全部まかせると言われたら、経験も自信もなく、断っていただろう。最初はホールをするだけと思ったから働くことにした。それなのに、結局、ひとりで全部カフェの営業をすることになった。もちろん、お客様が多いと、オーナーは私に「何かできることありますか?」と聞いて、飲み物を作ったり、だしたりしてくださる。カフェの仕事がないときは、宿泊の掃除や、準備、予約の確認などをする、それらを全部こなしていたら時間がどれだけあっても足りない、けれど、パートなので2時半には帰らなければならない。ところが、土日になると、午後のお客様が多くて、3時を過ぎることがしばしばとなる。

神様の言葉に

にちにち月々 余ればかやす 足らねばもらう 差し引き損得ちゃんとつけるで

というものがあり、働きに応じて報酬を与えるから、自分で損得勘定をする必要はないと言われるので、お給料という形で返ってこなくても、働いた分は何らかの形で返してくださると思い、3時を過ぎても、タイムカードは2時半で切ることにした。

そう決めたら、心置きなく切りのいいところまで片付けて帰れるようになり、気持ちがすっきりしている。

自分で決めることが大事。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
我が職場のお話はこれでおしまいにします。


ここ数日、不思議なんですが、前は帰ったらとりあえず、寝転んで一時間ほど休憩してから家事をしていたのですが、帰ってから寝なくても動けるようになったのです。そして、気持ちも軽くなった・・・というより、気持ちがかわったからなんでしょうね。

10月4日にあるところに行き、そこで何かが変わったのか?その日の夜に気づいたことがあり、翌日から毎朝、感謝することが湧いてきて、うれしくてたまらない・・・そんな毎日を過ごさせていただいています。

自分が今、どんな心の状態なのか、何を思うのか、どう感じているのか、いつも心地いい状態でいられるように行動していきます。

ありがとうございます✨✨


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