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ほうき

まだ蝉の声が聞こえる夏の終わり。
家族みんなで野良しごと。

畑の真ん中で、ほうきを振り回して遊んでばかりの
彼の小さい手から、ほうきを取り上げた「あの日」
ずっと、こんな日が続くと思っていた

息子が、私の手からほうきを手に取り
手際良く仕事を進めていく
その広くなった背中を見て

大きくなってしまった
大きくなってくれた

いろんな想いが込み上げる

こんな風に育つなんて思えなかった日々
彼が創る未来を信じると決めたあの日
そんな私の信じる未来なんて軽がる飛び越えて
子どもはいつだって
想像以上の奇跡を見せてくれる

一心不乱に働く息子
その傍らで兄にじゃれつく娘
少し離れたところで、われ関せず働くミーア

一緒にいられる今を愛おしいと思う夕暮れ

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