見出し画像

【読書】ビジネスと人生の「見え方」が一変する生命科学的思考

こんばんは。育休中教員のmiiです。
今日は、私が最近読んで一番面白かった本、
『人生とビジネスの「見え方」が一変する生命科学的思考』(高橋祥子)について書きます。

本の概要

この本で主張されているのは、人類は
生命の原理原則を客観的に理解した上で、それに抗うために主観を活かして行動できる」ということです。

ここで言う「生命の原理原則」とは、
生命が個体として生き残り、種が繁栄するために行動するということ

ここで言う「主観活かして行動する」とは、
個人や社会において「こうなりたい、こうあってほしい」という主観的な課題設定から、より良い未来に向けて行動する

つまり、「人類は、個体の生存と種の繁栄の為に行動するものであるが、希望を持ち主観的な課題設定をすることで、その原理に抗ってより良い未来を生きることが出来る。」という主張です。

第1章では生命の原理原則について詳しく説明されています。感情、時間、がん、LGBTQ、多様性、死などのキーワードと生命の原理原則との関わり。
第2章では主観を活かして行動することについて詳しく説明されています。
第3、4章は、この主張を個人、ビジネスに応用するとどうかについて書かれています。
第5章は、この主張から考える未来について筆者の考えが書かれています。

私が考えたこと

①同年代女性である、筆者と私


この本の筆者の高橋さんは、私と同年代で、私の子と同じ年齢の子を子育て中だそうです。大学院生の時に遺伝子解析のサービスをする会社を起業されました。
HUC(母親アップデートコミュニティ)の有識者ライブのYouTube動画を見て本を購入しました。
私が子育てでひーひー言っている中、同じ状況の彼女は、私が触れたことのない視点から、物事を見てきたことを想像すると面白いと思いました。

もしかすると彼女から見ると、
「自分の欲求を満たすためのわがまま放題な我が子」も
「個体の生き残りの為に、自分の欲求を第一に強く主張する子」

「子育てでイライラすること」も、
「個体(私)の存続が、私によって後回しにされて脅かされている。自分を守れ(甘やかせ)という感情のサインがきちんと機能している」
と捉えられるのかもしれません。

このような専門の知識から得られる見方が、プライベートに応用されて個人を支えているのは、ワーママはるさん×心理学も同じなのかもしれません。

私の場合何でしょう。
教師の専門的知識がプライベートに生かされている場面‥‥。
公園で反対方向に走り回る1歳児と3歳児をケガさせずに見守ること、とか?
「AをさせたければBと言え」という原則のもとに、「ズボン履こうか?」を「あ~足寒そうだね~」とか「ズボン履き競争しよっか」と即座に言い換えられるとか?
あまりいい例が思い浮かびませんが‥‥。

②科学と哲学の関係

この本は、「生命科学的思考」というタイトルの通り、
生命科学的な論拠を基に、筆者自身は「こんな風に考えますよ」という思考法の本です。

論拠は生命科学の実験等の論文を基にしているのですが、扱うテーマ(感情や思考、時間、死についてなど)考え方が哲学的だなと思いました。

哲学で仮説を立て、科学的手法で証明する
科学的証明によって得られた結果を哲学で意味づける

ということを、今さら実感しました。


「アリストテレス=万学の祖」というフレーズは受験の時に世界史で覚えた記憶はあるけど、なぜそう呼ばれているのか全くよく分かっておらず、
高校の時、理系コースの人だけ哲学や倫理みたいな授業を受けていたのを、不思議に感じていたのが、
この本を読むことで繋がりました。

「哲学=答えのない問いを探す学問」が、科学が更に急速に発達するこれからの時代において、重要な意味を持つのだと改めて理解しました。

私たち教員にできるのは、
答えのない問いを探そうとする姿勢、力を育むこと。
そのために何度もトライできる環境を作ること。
多様な人の考えから、自分の納得解を作る練習の場を多く作ること。

そのために、スキルも自分の内面も磨いていきたいです。

まとめ

私のプライベートにも仕事にも生かせる本でした。また、読み返したいと思います。

※ちなみに、研究職である私の理系夫に、この本の概要や面白いと思ったところを話すと、「著者は男性的だね」と笑っていました。まったく意味が分からん。なにがそう感じるの?
深く聞いても分からなそうなので、そのまま「へ~」と返しておきました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?