主婦の再就職は難しいのか?

というテーマのコラムが目に留まりました。
私がコラムを担当しているキャリア50というサイト。


パート・アルバイトに関していえば、むしろ主婦の経験やスキルが高く評価されて様々な職種で募集があるし、大手スーパーイオンでは、「G.Gパートナー」なる 65歳以上70歳以下のアルバイト募集もしてる。
イオンリテール株式会社公式サイト


実は私自身、最近パートの面接を受けて見習いとして新しい仕事に就くことが決まりました。街の調剤薬局です。


複業のひとつである病院職員向け接遇研修では様々な職種の参加者がいるので、私が経験したことのない「薬剤師」の仕事や現場のことを知っておきたいと思い、それなら現場に入ったほうが早いだろうと思ったから。


私は看護師の免許を持っています。薬剤師ではありません。
では調剤薬局で薬剤師の資格のないパートがどんな仕事をするかというと、
「患者さんから預かった処方箋に記載されてある薬剤を、医師の指示通りにピックアップする(麻薬以外)まで」です。準備した薬を患者さんにお渡しするのは、最終責任者の薬剤師の仕事です。ざっくりいうとこんな感じ。


今年の4月、厚労省から薬剤師以外の者による調剤業務についてこのように発表されました。

以下の行為を薬局等における適切な管理体制の下に実施することは、
調剤に該当しない行為として取り扱って差し支えないこと。
・納品された医薬品を調剤室内の棚に納める行為 ・調剤済みの薬剤を患者のお薬カレンダーや院内の配薬カート等へ入れる行為、電子画像を用いてお薬カレンダーを確認する行為 ・薬局において調剤に必要な医薬品の在庫がなく、卸売販売業者等から取り寄せた場合等に、先に服薬指導等を薬剤師が行った上で、患者の居宅等に調剤 した薬剤を郵送等する行為

一部抜粋:調整業務のあり方について(厚生労働省)


このように患者さんの体調や生命を左右する薬剤を準備するなんて、薬剤師が最終責任を負うとはいえ、資格なしの主婦にはかなりハードルが高い仕事内容です。


実際、同じ効き目の薬剤にも先発薬と後発薬(ジェネリック薬品)があるわけで、国は医療費削減のためにジェネリックを推してるけどあえて先発薬を指定する(医師の指示だったり患者の希望だったり)場合もあれば、同じタイミングで処方した薬剤3種類の中で、2種類はジェネリックでも構いませんよ、なんていう場合もある。


しかもほとんどの薬剤がカタカナですよ。カタカナって覚えにくくありません?
最初の2文字が全く同じだけど効き目が全く違う薬剤だってあります。

例えば

ムコスタ錠:胃炎・胃潰瘍治療剤
ムコダイン錠:気道粘膜調整・粘膜正常化剤

これは先発薬の製品名です。ジェネリックになると名称が違ってきます。
さらには規格(量)違いのものまである。
ムコまで同じなのに全く違う作用。最終的に薬剤師が確認するとはいえ、間違えて再び薬剤をピックアップすれば余計に時間も手間もかかるし患者さんにも負担だし、薬剤によっては最悪患者さんが亡くなってしまう可能性だってある。


これはかなりプレッシャーのかかるお仕事です。


いくら元看護師で薬剤も扱ってたとはいえ、日々短期記憶が低下して「あれ、それ」なんて固有名詞がなかなか出てこないアラフォーが暗記するのは至難の技。


まだ研修段階で実務に入っていないにも関わらず、戦々恐々な私。
やっぱり無理っぽくない?といつになく後ろ向きな感情も抱えつつ、
担当する薬局周辺にあるクリニックの診療科と最近流行してる疾患をあらかじめリサーチしておこうというやる気だけはみなぎっていますが。。。


冒頭のコラムにあるように、特に今までに経験のない業界を選ぶんだったら研修制度がしっかりしてるのか、同じ立場(未経験の主婦)の同僚がいるのかは大事。だって未経験だからこそつまづくポイントがあるから、同じ立場で話ができる人がいると心強い。


ここで本題です。冒頭で紹介したキャリア50で私が担当しているテーマは
ミドル世代のキャリア構築には見た目も大事ですよって内容です。


今回私がトライした職種は医療業界。患者さんから信頼される存在です。
となると、見た目はかなり重要。だから正社員じゃなくパートの面接でもビシッとプレスしたパンツスーツで清潔感を、姿勢良く颯爽と歩いて信頼感を入室時から演出しました。ちなみにメイクはベージュ〜ブラウンをベースにした落ち着きのある雰囲気に。間違ってもゴージャスな質感のラメとかグロスは使ってません。


同じく面接に来ていた女性をみると。。。
ナチュラルな木綿のハンカチーフならぬチュニック。
チュニックですよ。そうですね、とてもナチュラルで親近感のある印象管理です。
動きやすいし楽だし、ちょっとご近所の買い物くらいならそのまま行っちゃいます。


ただしつこく言いますがこの面接は患者の命に寄り添う調剤薬局のお仕事です。患者さんにとって話しかけやすい雰囲気は大事ですが、採用する会社にとってはどうでしょう?


薬剤を扱う仕事なので、私が面接官なら親近感よりも信頼感や誠実さを感じさせる方に調剤補助業務という特殊な仕事を任せたいと思う。もちろん、カタカナの製品名をバリバリ覚えて確実に早くお仕事のできる方は即戦力になるから欲しい人材ですけどね。プラス親近感があれば最高。


その女性が採用されたのかどうかはわかりません。


結論

主婦が日々地域で力を発揮しているコミュニケーションスキルや、家庭内で日々行なっている効率的な家事等のマネジメント能力などは仕事にも応用でき、その力は様々な業界で求められているので決して難しいわけじゃない。

自分が特にどんなことが得意なのかを自己理解して職種を選んで欲しいです。

あと、どんな職種でも面接にチュニックはオススメしません。


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