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【おいしい本#4】このビストロに出会えたら、それはきっと世界で一番おいしい料理

こんばんは。
おいしい本を紹介する"おいしい本屋さん"ですが、すっかり期間が空いてしまいました…!(ひぇー)

投稿する期間は空いてしまったけれど、その間もわたしはいろんなおいしい本に出会えたので、少しずつ紹介していきますね。

さっそく今日のおいしい本のご紹介です。

すきだらけのビストロ うつくしき一皿(冬森灯)


冬森灯さんは、どの作品を読んでも料理の表現がすっっごくおいしそうで…!!!!!
おいしそうな料理もすてきだけれど、文章もふんわり包むようなやさしさがあって、わたしはすごく大好き。

読んでて心がふわふわするような、でも人の悩みとか苦しいところとかもちゃんと言葉になっていて、でも黒過ぎないというか。(わたしの表現力なさすぎ。笑)



今回紹介する"すきだらけのビストロ" もあたたかい言葉とお料理がたくさん。

シロクマみたいな有悟は読んでいるとハラハラするところもあるけれど、きっとやさしい有悟だからこそ作れる数々の料理。

有悟とはまったく違うしっかりものの颯真は、ひょいひょいとしなやかに物事をこなしちゃって、まるで黒猫のよう。


クマと猫のデコボコ兄弟だけれど、そんなふたりだからこそ「好き」をたくさん詰め込んだ、幻想的な空間をつくれて、ごほうびのようなお料理が提供できる んだよなぁ、きっと。

そんなふたりのお店の "ビストロ つくし" は、決まったところにお店があるわけではない。おいしい食材を求めて移動していく旅するビストロだから、いつでも食べられるわけではないっていうのも、お店の魅力。
ご縁のあるひとだけが、たまたま出会えるような、そんな一期一会な空間。


だからお料理を食べた登場人物たちがうらやましい…!
わたしも出会って食べたい!!!と何度思ったことか。笑


そして少しだけミステリー?謎を解いていくのが楽しくて、次はどの人とどの人がつながるのかな、とか、最後はだれにたどり着くのかな、と夢中になって、あっという間に読んじゃった。

"ビストロ" って、あまりいったことないけれど、なんだか憧れがある。
少しこじんまりとしていて、アットホームな感じで、お酒を楽しみながらお料理も楽しんで。ひとりでいっても誰かといっても、違った楽しみが味わえるような、ビストロはそんなイメージ。そして気に入ったお店の常連さんになってみたい。(憧れ)


いつか "ビストロつくし" のようなビストロにわたしも出会えたらいいな、と思いつつ、ビストロにいってお料理と空間を楽しみたい欲がモクモクと出てきています。笑

失敗に終わるとしても取り組むこと自体に、なにか意味はあるもんだ。やってだめだったことと、やらずに終わったことでは、後者の方が人生に悔いを残すというよ

心が満ち、お腹も満ちたら、それは世界で一番おいしい料理なんじゃないかって、私は思うんですよ。そんな時間がちょっとでもあれば、憂き世を乗り越えていける気がするんです。見える世界も、ちょっとだけ変わる気がして

うれしいことや楽しいことは、ひとつでも多い方がいいもの。たくさん一番を見つけられたら、それだけ世の中がすてきな場所に思えそう

自分が好きなことに魂を尽くせば、共鳴してくれるひとはいる

特別ななにかを持っているわけじゃなくても、流される日々ばかりでも、その時々にしっかりと根を下ろして過ごす1日が、ある時なにかのきっかけで特別な景色を見せてくれる。そんな生き方だって、きっとそう悪くない。

くらしの中のささいなことにも、眼を凝らし、心に照らして、手を伸ばすこと。それから、大きく息を吸って、ゆるむこと。体でも心でも、ゆるむと少しの隙間ができるでしょう。そこに新しいものが生まれたり入り込む余地ができますよ

あなたはあなたの人生の開拓者ですよ。未来を切り拓いているから、迷うんです。迷ってもいいんです。たとえ迷っても、どこかへ向かえるって、すごいことです。凪いだ海ではどこへも行けない。変化は、怖いかもしれませんが、特権でもあります。

世界は「好き」で広がっている。
ひとは、誰でも心の中に、特別な箱を持っている。
からっぽのその箱に、いくつもの「好き」を溜め込んで、自分の世界をつくることができる。
自分という器に溜まった「好き」は、いつか力になり、自分を内側からかがやかせる光になる。

冬森灯さん「すきだらけのビストロ」より

すてきなお話で、すてきなワードが多すぎて、
残していおきたい文章が多くなっちゃった一冊です。

仕事のこと、これからどうしたいかなと考えたときに、背中をそっと押してくれる言葉が多くて、今、このタイミングで読めたのもよかった。


両腕を天に向けて伸ばし、手にひらと手のひらを合わせる。
そのままゆっくりと、左へ傾ける。次に右へ。目は開いてもいいけれど、私は閉じるのが好きだ。そうやって体をゆらしていると、肩、首はもちろん、背中や腰、体側、肩甲骨まで、気づかないうちに、体が縮こまっているのがわかる。そういう時、窮屈なのは、体ばかりじゃない。気持ちや心も、ぎゅうっとこわばって、伸びることを忘れている。それをゆっくり伸ばすつもりで、体の声を聞くようにゆれれば、慌ただしい毎日の中では見えなかったことに気づいたり、普段は聞こえない声が耳に届いたりする。

冬森灯さん「すきだらけのビストロ」より

お話の中で颯真が実践していること。
わたしも日常に取り入れるようにしてみると、ちょっと体の力が抜けるような。

体にぎゅうっと力が入っているなと思ったときは、ぜひ。


久しぶりの "おいしい本屋さん" 読んでいただきありがとうございました。
これからはもっと定期的にアップするので、これからもよろしくお願いします。

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