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なんにも起こらない映画「架空OL日記」を今こそ見てほしい

架空OL日記を観てきた。

バカリズムが2006年からOLになりきって架空の日常を綴ったブログ「架空升野日記」を書籍化したものである。2013年に小学館文庫から2巻を発行。 2017年4月13日より読売テレビ制作にてバカリズム原作、脚本、主演で連続ドラマがスタート、2020年に同じくバカリズム原作、脚本、主演で映画化。 ーwikipediaよりー

書籍を読んでから大好きだったのだけど、ドラマになり、ついに映画化までされちゃって本当にすごい。何がすごいって、たとえ映画になったって、日常のブログそのままに映画になっても、本当に何も起こらない!

みさと銀行(これももちろん架空)に勤めるOLたちが繰り広げる、ただただ日常の会話、風景。

最近、パラサイト、1917、ミッドサマーとジャンルは違えど気楽にのほほんとはなれないヘビー映画が続いていたのもあって、無心で笑えたのがとっても良かった。大爆笑ではないけど、金曜にボーッと見てた深夜のお笑い番組で「ふふ」って笑っちゃうみたいな軽さがある。

歩く人もまばらな渋谷に、マスクだらけの山手線、ドラッグストアの行列、不安を煽るだけのテレビ。生きてるだけでちょっとず心に作られるような”ささくれ”には、こういう「ふふ」が効くんじゃなかろうか。


マーティン・スコセッシが「マーベル作品は映画じゃない」という主旨の発言をしたことが物議を醸していた。スーパーヒーローもののような映画は娯楽作品であり芸術ではないとの批判なのだとすると、芸術ってなんなのか。

私の人生で一番見た最愛の映画「グレイテスト・ショーマン」は、このフレーズで締め括られる。

最も崇高な芸術とは人を幸せにすることである。 ーP.T.バーナムー

主人公のモデルになったP.T.バーナムはサーカスなどの興行で人気を博し、ショービジネスの世界で一時代を築いた人物。色々批判も多い人ではあるのですが、この言葉は間違いじゃないと私は思った。


若干、話が逸れてきましたが、とにかく「架空OL日記」が面白かったよって言いたかっただけなのです。

誰かが言ってたのだけどね、職業で◯◯人とつくのは「詩人」と「芸人」だけだって。(もし他にあったらこっそり教えて)
師でも士でも家でもなく「人」。これって何でだろう。その人そのものが、生き様が生業だからかな。

架空OL日記の中で交わされる会話って、日常のあるあるな感じがするようで、でも絶対に日常には無いんですよ。多分あそこまで面白くならない。コントほど作り込まれてないんだけど、あの絶妙に「ふふ」って笑えるラインが現実のOLと架空のOL違いであり、バカリズムの芸人たる所以だと思うのだ!

と言い切ってみたものの、現実世界では本当にあんなおもしろOL会話が日々生まれてたらどうしよう......。ただ私にユーモアがないだけ......?

それはそれで世界はまだまだ面白いってことで、生きる楽しみにしていく所存なので、こちらも自分の周りはあのレベルだぞって方いたら教えて欲しい......。


「架空OL日記」、こんな時こそ観て欲しいのに残念ながら映画館って、今、避けられがちな空間なのかしら。

行くのが難しければ「グレイテスト・ショーマン」見てください。レンタルなり何なり。全然関係ないですけど、私の人生最推しの映画なので。

事実や情報を正しく知ることは今の状況を生き抜く力をくれるけど、それと同じくらい物語の世界に浸ることも大切だと思う。フカフカのお布団に包まれてるみたいな、穏やかな時間をくれるから。

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