見出し画像

父と娘の珍介護道中(日記的エッセイ2010〜2022) 時々、母のこと、故郷のこと、自分のこと EP19

エピソード19
平穏無事な日々に現れた初耳のボーエン病

2015-07-10

明日7/11は母の祥月命日。
今日は父の顔を見がてらお墓まいりに行ってきた。
もうまる7年。早いな。毎年この頃に咲く母の好きだったカサブランカを見に実家にも。毎度言っているかもしれないけど、咲くと母が帰ってきたような気がする。
今年は雨が続いたからか、残念ながらまだつぼみ。
球根が年々消耗するようで、花も減ってきてるのが淋しい。父に写真を見せたら、「ああ、咲くね」としみじみとうれしそうだった。
明日は食いしん坊の母の大好物だった桃を頬張って(笑)、在りし日を偲ぼう。

2015-10-27

父のふくらはぎにボーエン病が見つかった。ボーエン病は皮膚ガンの初期段階で、
切除してしまえば問題ないとのこと。
ということで、本日は東海大伊勢原病院で手術。
やっと順番がきて手術室に入ったところで、私は院内にあるスタバで腹ごしらえ。1時間ほどだそう。無事終わることを祈りつつ夕映えの大山見ております。

2015-11-05

父の抜糸が今日済んだ。
6センチくらいのけっこうな傷で痛々しいけど、父は「痛くない」というのでちょっとホッとしてます。
病理検査の結果、ボーエン病はすでに癌化していた。
でも、血液やリンパには至っておらず、また病変も全て取り切れているので、「もう心配なし」とのこと。

今回私もそんなものがあるんだ! と初めて知ったボーエン病。
乾燥する冬、お年寄りにできやすい貨幣型湿疹に似ているので、見逃しやすいと思う。何かの参考になればと思い経過を記しました。

最初に発見し、紹介状を書いてくださったかかりつけの皮膚科の先生、
そして、パッと見るなり「切りましょう。私が担当しますから」とすぐその場で自分が常勤する東海大伊勢原病院に予約を入れてくださった済生会病院形成外科の先生。
おふたりの早い判断と適切な処置に感謝です。

ケアハウスからの帰り際、いつも笑顔で挨拶してくださる父の「ご近所さん」のおばさまから、「これ、もらってって。私の趣味でね、いくらでもできちゃうの。使ってね」と、ランチョンマットほどのきれいな刺し子をいただきました。
一針一針がきれいすぎて、何に使っていいのかわからないっす(笑)。
でも、ケアハウスでこういう「ご近所おつき合い」ができるのは嬉しいこと。

2015-12-05

今日は父の米寿のお祝い@茅ヶ崎のラ・ターブル・ド・トリウミ。
茅ヶ崎在住のグルメ通の友人に教えてもらったフレンチ・レストランです。
シェフは、あの「料理の鉄人」で、和食の鉄人・中村孝明さんを破ったことのある方だとか。

そんな素敵なお店で、1927年生まれの父の歴史をたどりながら、ゆっくりと美味しく、楽しく過ごすことができました。
だいぶ前からお店の手配、送迎の手配といろいろやって、当日も細かい万が一をいろいろ考えて行動してたから、終わってホッとして、なんだかヘトヘト~。
一方、父はこの夜、ケアハウスの忘年会で歌を歌うことになっていると言ってた。
パワフルなハシゴに乾杯、いや、完敗(笑)。

ご近所さんのおばさまから頂いた刺子、米寿のお祝いでご満悦


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?