国際バカロレア認定校の元教師に聞く~学習指導要領に縛られてPBL・探究学習って出来るんですか?~
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国際バカロレア認定校の元教師に聞く~学習指導要領に縛られてPBL・探究学習って出来るんですか?~

近藤みほ(流山市議会議員)

学びが楽しくなる探究学習とは

私は今、学校に足が向かない子ども達とお付き合いしています。子ども達が学校に足が向かない理由は様々ですが「学校の勉強がつまらなくて集中できない」「成績が追い付かず、自分は馬鹿だし、存在価値がない」という子もいます。かくいう私も学生時代、勉強は義務でやっておりましたので、苦行でした。面白いと思ったのは大学院以降であり、楽しくてしょうがなくなったのは社会人になってからでした。苦行が悪いとは申しませんが丸暗記した社会(特に歴史)については拒否反応すらあったりします(笑)。

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なぜ社会人になってからの勉強が楽しかったのでしょう??理由は3つございます。
①課題を自分で設定できた②お客様と答えを一緒に見出すプロセスが楽しかった③自分が貢献する意味が見いだせた、です。
いわゆるこれは「探究学習とか、PBL(Project Based Learning)」のプロセスではないでしょうか。お客様に研究者が多かったことも功を奏しているかもしれません。

探究学習とは、自ら課題を設定して、ある物事の真の姿・あり方をさぐって見きわめるために、情報を収集・分析して、周囲の人と意見交換・協働して進めていく学習活動を言いますが、自らが問いを立てられるし、情報収集や分析の手段も自分で決められるので、やらされ感が産まれにくいと言われています。

つまり、学びが自分のものであるという気持ちを尊重し(学びのオーナーシップ)主体的に学ぶプロセスなのです。確かに、やらされ勉強により過剰な苦手意識が発生したり、学びが嫌いになるのはもったいないですよね。

探究学習・PBLは学校で実現出来るの?

実態をしりたく、国際バカロレア認定校の開智望小学校で教員をされ、この春、独立された五木田洋平先生と意見交換をしました。五木田先生いわく、PBL実施に伴う学習内容と、学習指導要領との対応をカリキュラムできる日本の教師はそもそも少ないとのこと。推測すると理論上は出来るが、現実的には無理ということだと思います。その理由を2つほど教えて頂きました。ちなみに五木田先生は全学年でのカリキュラム作成経験をお持ちです。すごい

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1つ目の理由は、多くの教師は子どもの学びに応じたカリキュラムを組むことに慣れていないからです。教科書を元に授業を組んでおり、カリキュラム=時数毎に教科書のページ数を割りあてることと思っている教師が多いとのこと。

実は学習指導要領は大まかな方向性しか書いていません。例えば社会の3年生では「身の回りのことを覚えましょう」と書いてある程度ですが、教科書には「地図記号」の定義が書いてあります。つまり教える内容を具体的にし、縛っているのは教科書なのです。学習指導要領上は、もっと自由な内容でよいわけですが、実質は教科書の割り振りが中心となり、自由なカリキュラムを組む経験を積める環境は潤沢ではないようです。

2つ目の理由は、多くの教師は標準授業時数の固定概念に縛られているため、とのこと。教科ごとに時間数は決められていますが、仮にある単元で6時間と決められていたとしても、教えるのを3時間で終え、残りの3時間で生徒同士で考え話し合う時間に充てる等、探究に取り組めるように工夫も出来るとのこと。しかしそれを学校組織で実施する場合は、教師が持っている技術の違いや狙いの違いが出ることもあります。どこか統一しなければならないこともあるところがPBLや探究が根付きにくい理由だと思います。(保護者の方もA先生はいいけど、B先生は駄目などの比較が出ると問題になりますね・・)

探究からは遠くなる、二元論が横行する昨今の風土

 直接的な理由ではありませんが、現在の学校環境は二元論が横行し探究が生れにくい風土ですね、という話にもなりました。二元論とは、あい反する2つの原理や要素から構成されると考えることですが、学校では「物事には答えがある」と教えることや規律(ルール)が多いため、「正しい」「正しくない」という議論に陥りがちです。そうすると友人関係も対立しやすくなりますし、昨今はこの風潮が強い気がしています。

 現に学校に足が向かないの子ども達の中では「学校に行かない=サボっている、駄目な奴だ」というレッテルを張られ辛い思いをする子もいます。
 多くの事象は複雑に関係しているし、正しいと言い切れる答えはない、むしろ大切な多くの事象に答えは殆どないし、見出していくことの方が価値のような気もします。せめて、学校いけない(行かない)多様な理由を想像できるくらいの風土であると良いですね。

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学校=集団の本来のメリットは、対話による気づきが得られる可能性があること

これからの知性とは何ですかね?という深イイもしました。五木田先生は「対話によって、どれほどの深い気づきを得られるかのかが本当の知性」と主張され、私も素敵な考え方だと思いました。

学校のメリットは、違う考え、立場の子どもの集団の場が存在することです。大人になると友人関係は選択的で、自分と同じような考えやスキルの方々に偏る傾向がありますが、学校には多様性があります。この場を対話的な学びができるようデザインできれば、二元論に惑わされない豊かな知性が育つ可能性があるし、探究のベースにもつながります。

現在は人的なリソースもスキルも不足しており、学校で理想の環境を作ることは難しそうですが、学校という場はそういう可能性を持っているんですよね、そういう場になって欲しいねと盛り上がりました。

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2022年4月 元小学校教諭と教育起業家が創るオルタナティブ・スクール HillLock(ヒロック)@世田谷砧公園で開校されます。

そんなキャリアと理想をもった先生は、より多様な教育のあり方を表現できたらと、またご自身の力と教育の可能性を最大限見出すべく、2022年4月 オルタナティブ・スクール HillLock(ヒロック)の開校に携わられます。説明会があるようですので、ぜひチェックを!
許されるなら、私もぜひ視察に行ってみたいです。


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近藤みほ(流山市議会議員)

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近藤みほ(流山市議会議員)
2児の母(兼)流山市議会議員(2期目)。IT会社を退職後、地盤・看板・カバンなしの無所属で立候補。議員は家庭や子育てなど生活現場の声を政策提言に活かせる仕事なので女性もどんどん挑戦すべし。ステレオタイプの議員像を壊すべくニュートラルな目線で感じる違和感や挑戦について発信します。