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ふわふわしあわせ フルーツゼリー寄せ サバイヨンソース

しっかり大きめの果物とふわふわしたサバイヨンソースの相性がぴったり。「わあ、ふわふわしておいしい」と思わず笑みが浮かびます。

【作り方】

<材料 5人分>
苺 6個
オレンジ 1/2個
グレープフルーツ(ルビー) 1/4個
グレープフルーツ(ホワイト) 1/4個
パパイヤ 1/4個
黒豆蜜煮 10個
ミントの葉 5枚
【シロップ】
水 200ml
グラニュー糖 35g
【ゼリー寄せの生地】
シロップ(上記より) 200ml
板ゼラチン 6g
【サバイヨンソース】
卵黄 1個 
グラニュー糖 25g
キルシュ 10ml
水 15ml
生クリーム 75ml

① 苺は葉を切り、縦半分に切る。
② オレンジ、グレープフルーツは両端を切り落とし、皮をむいて薄皮の内側に沿って包丁を入れ、1房ずつ果肉を取り出し、半分に切る
③ パパイヤは両端を少し切り落として縦8等分に切り、皮と果肉の間に包丁を入れて果肉をはずし、1.5cm幅に切る。
④ 黒豆蜜煮は出来上がったものを使用する。
⑤ シロップを作る。鍋に水とグラニュー糖を入れて火にかけ、グラニュー糖を煮溶かす。
⑥ ゼリー寄せの生地を作る。板ゼラチンは冷水につけて戻す。⑤のシロップを温め、戻した板ゼラチンを溶かす。
⑦ 果物、黒豆をゼリー寄せの生地を適量とり、地洗いしてザルにあげる。小さめの容器にラップフィルムをしき、果物と黒豆を入れ、ゼリー寄せの生地大さじ2を流して茶巾絞りにする。氷水に入れて冷やし固める。
⑧ サバイヨンソースを作る。ボウルに卵黄とグラニュー糖を加え、白くなるまでビーターでかき混ぜる。キルシュと水を加え、湯煎にかけてとろみがつくまで混ぜながら卵黄に火を通し、急冷する。角が立つまで泡立てた生クリームと混ぜる。
⑨ 器にサバイヨンソースをしき、⑦をラップからはずして盛り付け、ミントの葉を添える。

【料理のポイント】

板ゼラチンを使うときに大切なのは大きく3つ
・ 冷水でしっかりと戻す
・ ゼラチンを加えたら長時間火にかけない
・ 溶かした液はしっかりと冷やしてから固める

これらができていないと、ゼラチンの固まる力が弱くなってしまいます。
うっかりゼラチンに火を通しすぎないようにするために、火を止めてからゼラチンを入れると失敗がなくおすすめです。

サバイヨンソースのポイントは
・ 卵黄とグラニュー糖を混ぜるときに、白っぽくなるまでしっかり空気を入れてまぜること。
→空気を入れることで、湯煎で温めるときに卵黄にゆっくり火が入るので卵黄臭さが出ません。
・ 湯煎でとろみがつくまでを目安に泡だてながら卵黄に火を通すこと。
→火が通り過ぎるとおいしくなくなってしまいます。
・ サバイヨンソースと生クリームを合わせるときは、サバイヨンソースに生クリームを加える
→生クリーム(柔らかいほう)少量をサバイヨンソース(かたいほう)に混ぜて生クリームの固さに近づけてから残りの生クリームを加えると混ざりやすいです。

ゼリー寄せをラップから外すときにはずれにくい場合は、カップに入れたお湯に少しだけつけるとはずれやすくなります。

【中医・薬膳から】

一口味わうとしあわせに包まれるこのデザート、薬膳からアンチエイジングを考えるとぜひ避けたい一品になります。アンチエンジングでは、「冷たいもの」を避ける、つまり体を冷やさないことが大切になります。
アンチエイジングでは「腎」を強めることが第一で、冷たいものを食べると「腎陽」が弱り、「腎陽」と「腎陰」のバランスが崩れてしまいます。
また、たるみは「脾」と関係します。「脾」は胃腸に入ってくる食べ物の影響を大きく受けます。脂っこいもの、固いもの、味の濃いもの、冷たいもの、甘いもの、これらに「脾」は弱いとされます。
気をつけるポイントは他にもたくさんありますが、まずは「冷やさない」これが一番です。氷たっぷりのジュースもNGです。お水も常温でいただきましょう。
果物も体を冷やしやすいものとそれほど体を冷やさないものがあります。南国系のフルーツや夏のフルーツは基本的に体を冷やすので、特に冬場に食べるときは少し気をつけたほうがよいです。

【最後に】

今回は洋風デザートだったので日本料理の紹介としては意外に思われた方もいるかもしれません。日本料理の会席料理ではもともとは季節の果物を切ってそのまま提供することが多かったのですが、果物を使ったシャーベットやアイスクリーム、ゼリー寄せなどを提供することも多くなりました。
理由としては、果物そのままだと果物の鮮度や味のごまかしがきかないため原価が高くつく場合も多いことや、少し手を加えることで付加価値が高まり喜ばれることなどがあるそうです。

今回ご紹介した「フルーツゼリー寄せ サバイヨンソース」、ほんとうにとってもおいしいんです!ところが残念ながら、みんなが大好きな生クリームたっぷりの冷たくて甘いデザートは薬膳アンチエイジング的にはよくないんですね。
でも、おいしいものはおいしい!楽しく味わったらいいと思います。無理に我慢するとそれもストレスですものね。「肝」はストレスに弱いのですが、「肝腎同源」といって「肝」が弱ると「腎」の足を引っ張ってしまうので我慢しすぎるのもよくない、ということにしておきましょうね。

一方で、ゼラチンは動物の骨や皮に多く含まれるコラーゲンというたんぱく質から作られています。体内でアミノ酸に分解されますが、再び体内でコラーゲンが作られやすくなります。コラーゲンの合成に必要なビタミンCもフルーツで一緒に摂取しているので、そういう面では美肌にいいともいえますね。

ただ、やっぱりキンキンに冷えたものや甘いものや脂っこいものは頻繁には口にしないこと、これだけはしっかり心がけましょう。
「我慢しなきゃ」と考えると辛いですが、ちょっと心に留めて気をつけるだけでも、長い時間を経ると大きな違いになると思います。


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学校で学んだ日本料理や知識をもとに、そこから思考を薬膳に広げたり、おいしく作るコツなどを紹介しています。いろんな視点から料理や食材を見ていきます。分量は必要に応じて微調整してくださいね。学びや発見があれば随時修正や追加・更新をしていきます。

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