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わたしは「こう読んだ!」vol.5 『現代現象学 経験から始める哲学入門』

2021年の3月にFBに載せたものです。この頃は、博論を書くために、とにかく現象学を知ろうとしていました。少しずつわかってきて、面白いと感じ始めていたんじゃないかな。今もまだ、ちゃんとわかったとは言えませんが、わたしなりの現象学的保育研究を打ち立てたい!と思っています。
ここからは、当時の記録です。
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「読書記録をFBに毎月あげよう!」という目標を、勝手に立てたのはいいけれど、読みきれないままに、気づけば31日。途中までしか読めていないけれど、第1部の基本編は読めたので、そこまでを簡単にまとめてみたいと思います。

『現代現象学 経験から始める哲学入門』
 そうです、またしても現象学です。「で、いったい現象学って何なの?」に答えてくれているのがこの本です。表題にもあるように、現象学というのは、本書によれば、経験から出発し、一人称的な観点、つまり、「私にとって」という観点から経験を探求するものです。現象学において経験とは、私たちが世界の中で出会う対象との関係、つまり対象とのさまざまな関わりのことです。このような経験を、私にとってどのようなものなのかという観点から、他のものと区別したり、内在的特徴を明らかにしたりすることを通して、世界を理解し、世界を経験する私たちを理解しようとするのが、現象学です。
 現象学は、あくまで経験に留まり、経験の及ぶ現象の中で、世界を、そして私たちを理解しようとします。現象とは、経験と経験されるものという二重の意味を持っていて、その対象が経験されるということは、その対象が私にとって現れるということです。この現れ方を解明することは、その対象の存在を明らかにすることになるのです。
 ここまで読んでもらっても、いったい何のことなのか?となったかもしれませんが、本書では具体例を示しながら説明されていたり、用語の説明もされたりしているので、もっと理解しやすいと思います。それでも、現象学は言葉の使い方が独特なので、一読しただけではよくわかりません。何度も前に戻ったり、他の本と読み比べたりしながら読むと、少しずつ理解が深まり、その過程が面白いですよ。
 とはいえこの本も、これまで読んだ現象学の本も、今読みかけている別の現象学の本も、全て入門編。どこまで入門編を読んだら、現象学の扉の前に立てるのだろうと気が遠くなります...。今はただ、わからないながらも、少しずつでもわかっていくのが面白いという、ただそれだけで読んでいます。と言ってももちろん、博論に生かすというのが第一の目的なのですが。
まだまだ、探求は続きます!

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