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子どものさぐり調査

先日、近所の100均に行ったときのこと。

混んでいるレジの行列に並び、これも買っちゃえよ、という声が聞こえてきそうな小ぶりなお菓子や食品の陳列棚を横目にぼーっと待っていた。

私の前には、男の子(兄)と女の子(妹)とお母さん。

並んでいるその数分の間にも、子どもたちは「これなーにー?アメかな?「ラムネじゃない?」「ねぇ、これはー?」などとくるくる回りながら話している。子どもには、そんな風に見えてるんだなー、とか思いながらその光景を眺めていると、急にお兄ちゃんの方が、私の方にぐいんっと寄ってきた。何かと思ったら、私のすぐ側にあった、ドラえもんカレーを見ている。ああ、やっぱり子どもはキャラクターものに惹かれるんだな、なんてみていたら、すすすーっとお母さんのもとにさりげなく戻って行って、

「ねぇ、お母さん。うちにカレーってある?」

と聞いたのだ。「うわ!探りを入れてる…!」と、これまでの子どもらしい言動とのギャップにどきどき。さぁ、お母さんはなんと答えるか…!



「カレー?うーん、あるよー」

残念…。男の子も「ふーん」と一言だけ。ここで、「えー、これ買ってー」とか決して言わない。きっとここで、引き下がらないと、お母さんになんやかんや言われることがわかっているようで、何事もなかったかのように、妹との会話に戻って行った。

きっと2、3歳くらいしか変わらない、この兄と妹の間には明らかに世渡り上手的なスキルに差がある。子どもっぽく見えても、子どもが知りうる世界の中で上手に立ち振る舞うことや交渉術を身につけていくんだなと感心した数分の出来事。

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