「油の酸化」とオイルポットについて
三保原屋本店は静岡の家庭用品専門店。創業は1687年といわれています。
ずっと分からなかった「油の酸化」について。
先日、東北大学教授の仲川先生に直接伺う機会を頂けたので、noteに記載をしてみます。
油の酸化は、インターネットにも多くの情報が記載されていますが、
「どんな観点から」
「何と比較をして」
書かれた文章であるか??が、分からないことが多くある印象です。
【お願い】
後述しますが「油の酸化=絶対悪い」わけでもないケースもありますが、やはり過度な酸化は気になるところ。
【オイルポット】
油の酸化がとっても気になる方は、そもそもオイルポットのご利用が少し不向きなのかもしれません。
一方で、オイルポットを使ってみようという方は、以下の項目をお目通しいただければと思います。
①条件
油の酸化に関する情報は後述しますが、
それらを踏まえてオイルポットを選ぶのであれば・・・
という条件でオイルポットを選ぶと良いと思います。
(1)、(2)と、超基本に忠実な結論になりそうですが、それほど基本は大切です。
(3)に関しては、酸化の仕組みでも説明をしていきますが、三保原屋本店でも、琺瑯や、内面がフッ素樹脂加工されたオイルポットの取扱もあります。
②現実的には
オイルポットは、少しオイリーになることもあり、収納の奥に保管するというよりは、、
コンロの横に出しっぱなしになることもあるので、見た目も大切。
とにかく、油に関してはご家庭により状況が違いすぎて、一概にオススメが難しいと感じています。
●少量の油を使い捨てるようにしているご家庭もあると思います。
●油の価格高騰により、考え方を変えるご家庭もあると思います。
●鉄フライパン調理のためにオイルポットを探している方もいます。
いずれにしても、生活者さんにとって最善の選択ができればと思っています。
【酸化について】
ここからは酸化に関する文章です。
①酸化とは
実は酸化は複雑なプロセス。
一度酸化したら終わり!ってわけではありません。
上記イメージで、複数の原因が、複数のプロセスを経て、段階が進みます。
②酸化という言葉
マイナスのイメージがつきまとう「酸化」ですが、言い方が違うだけでもイメージが変わることがあります。
「熟成肉」や「バージンオリーブオイル」も「揚げ物が美味しい」のも、「酸化」により美味しく感じていることもあります。
意外かもしれませんが、「酸化」は、適切にコントロール(制御)できていれば、生活で恩恵を受けることもあるとも言えます。
③酸化の原因
酸化をコントロールするためには、原因の解明が必要です。
日常生活で言えば、
●熱
●光
が大きな酸化の原因とされます。
そして、酸化の原因により、性質が全然違うため、
「油の酸化」と一言で言っても、実はとても複雑で・・
わかっていないことも多くあります。
インターネット上でも、熱に関する酸化の情報が多いのは、単純に【熱が酸化に及ぼす影響】の方が研究が進んでいるためです。
【光が酸化に及ぼす影響】については、実は思っていたよりも大きいのではないか??と言われ始めています。
④酸化に強い油
特に揚げ物であれば、
調理開始(もしかすると、調理以前)から
酸化は確実に始まっており、環境を無視して、一概に「酸化に強い・弱い」を定義づけることは困難とも言えます。
⑤日常生活において
日常生活において、熱と光の他に気を付けるべきことは・・
●揚げカス(揚げ玉)
●金属
を挙げることができます。
そのため、オイルポット選びにも、このようなポイントを記載しました。
【最後に】
家庭用品店を営んでいると非常に感じるのですが・・。
私たちの生活が便利になったのは戦後からです。
世代を超え、環境を含めた観点からは、200~300年経過しなければ評価が難しいこともあります。
また、現在の技術をもってしても「正確には分からない」というものは数多く存在しますが、「正確に分からないなんて怖い」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
冒頭にも記載しましたが、油は様々な議論が起こりやすいものです。
色々なスタンスはあって当たり前なので、
情報に意思決定をされることなく、
情報を使って生活ができるよう、
地域の小売店として、お客様に情報を整理できればと思っています。
分からないことがあれば、是非お近くのお店スタッフさんに聞いてみるのも良いかと思います。
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