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編集者になって学んだ、作品の味わい方

ひたすら『リアル』を見て泣いている。以前読んだのは19歳。その時も確かに泣けるシーンがあったけど、この十数年でずいぶんと刺さる言葉が増えた。なんでかなぁ。心に残った言葉たちを写経して、ちゃんとじっくり考えたい。

この十数年で変わったことは、涙もろくなっただけじゃない。心に残る作品に出会う度「どういうところから着想を得たんだろう」とか、「この言葉、どうやって導き出したんだろう」とか、「編集者さんと、どんな会話しながら作り上げていったんだろう」とか、作る過程やアイデアの源を知りたいと思うようになった。あと、「この作品を作るまでに、どれだけ取材をしたのかな」も今回気になったポイントだ。

『リアル』は車いすバスケを中心に、足がマヒして動けなくなってしまった人の“リアル”を描いている。どんな病状があるのか、どんな気持ちに陥ってしまうのか。また、病室のベッドから眺める景色はどんな風に映るのかなど、細かく取材をしなければキャラクターに現実味が帯びなくなってしまうんじゃないかと思う。数年前に車イスバスケを見たときの迫力やタイヤの焦げる匂いなんかがよみがえってくるほどには情景がありありと描かれている。普通に読んでいるけれど、実際これを作り上げるって、きっと相当な時間が必要だぞ。

作る過程に興味をもつようになったのは、曲がりなりにもコンテンツ作りを仕事にするようになったから。感動しているだけじゃなくて、読者の視野を広げるコンテンツ作りを私もしたいと思うようになってからだ。好きな作品のことをもっと知りたいと思えるようになったのは、この仕事のおかげなんだな。編集者のインタビュー記事とかないかなぁ。リアルのこともっと知りたい。

去年の毎日note


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