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寒い日のつぶやき

一歩一歩進むごとに「寒い、寒い」と繰り返す季節がとうとう来てしまった。寒くなればなるほど、じめじめした夏の夜を思い出して恋しくなる。


「一人一人がエアコンを常備できたらいいよね」と、隣で歩く友人がつぶやいた。沈黙が2人の間に広がる。頭にハテナが浮かんで、何をどう言ったらいいのかわからない私に気づいたのか、「傘は江戸時代から形が変わってないんだよ?絶対開発の余地ない?」と友人が続けた。

周辺の空間が濡れなくなる"バリア機能"が作れるようになれば、雨はもちろん、バリアされた空間を暖められる機能が付くんじゃないかというのだ。バリア機能は頭上だけを覆うのではなく、全身がすっぽり包まれてしまうくらいのもの。確かにそれなら1度は考えた。多分、そういう人は少なくないはず。

くだらない妄想をつぶやきながら、今日泊まる場所に到着し、またね、と言って別れた。

「何かできることがあったら言ってね」「その日は空いてるから、もし不安だったら一緒にいるよ」。ほっぺたも凍るほどの1日だったけれど、そんな言葉を今日は、たくさんもらって、心はホクホク温かかった。

話の流れで「一番怖いのは人だからね」と友人が話した。確かにその通りかもしれないな、とその時は思ったけれど、一番温かいのも人だろうなぁなんて思う。寒いねって言えたり、言葉をくれたり、人じゃないと難しいよなぁ。


去年の毎日note


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