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旬の時期が訪れたなら

「桜なら通勤中見てるから、特別に見に行く時間を作らなくても十分」と、夜桜見物に誘ってくる連絡を見ながら憂鬱そうに嘆いた。

去年の私は、桜よりも新しい出会いよりも、迫りくる納期との戦いが最優先だった。それが楽しかったし、自分でもそれがよかったのだと思う。

けれど今年は、カメラにハマってレンズを新調したし、大事な友人が「夜桜見よう」と誘ってくれたから、穴場スポットでゆっくり夜桜散歩が実現。今にも降ってきそうな桜を真上に、季節を楽しむ幸せをかみしめた。

訪れたのは、不動前駅近くのかむろ坂。10分ほど歩くと目黒川も近くにあるけれど、かむろ坂の桜の方がたわわに実っていて、きれいなトンネルが出来上がっていた。

食いしん坊の友達がお団子を欲しがって、近くのコンビニでみたらし団子を購入。桜を見ながら食べ歩きするのが、こんなに楽しめるのはやっぱり満開の桜のおかげだと思う。

ゆっくり歩いて2~30分ほど、ゆるやかな坂道を桜が包む。辺りには通勤途中に足を止めている人か、地元でふらりと立ち寄ったような人しか見えない。こんなに満開の桜並木も、知られなければ独り占めできるのだ。

途中、居酒屋を見つけた。ここなら桜を眺めて一杯いける。花が散ってしまう前に、ここにまた来れるだろうか。

桜、紅葉、海水浴、そしてクリスマスやバレンタイン。季節には季節のことを、その時々にしか味わえないことは優先度上げてしっかり楽しみたいと思うようになった。

一瞬で過ぎてしまうその瞬間の切なさだったり、毎日同じことを繰り返す日々の、ちょっとした息抜きだったり。単調な日々にしているのは自分自身なのかもしれない。


できれば晴れた日の朝にも散歩に行きたいけれど、ギリギリまで寝たい私には難しいんだろうなぁ。


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