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「HSPの強みって何ですか?」

「HSPの強みって何ですか?」

代表の青木さんとランチしていた時にそんなことを聞かれ、うまく答えられなかった。

人の感情に左右されがちだし、大人数の飲み会は疲れてしまうし、この体質は会社において、どんな強みがあるのだろうか。その時はなんですかねぇなんてごまかしたけれど、改めて考えても見つけられなくて、ちょっと落ち込んだ。

別の日。
会社を辞めてしまう同僚が、送別会で私のいいところを伝えてくれた。

「自分が好きなことを、人に押し付けないで、"私は好きなの!"と報告してくれるところ」

自分のいいところを探して万年迷子になっているので、「あなたのここはいいところだよ」と言ってもらえるだけで生きててよかったなと安心する。しかも私は、押し付けないのではなく、押し付けることができないだけなのに。

自分の感性は、悪い意味でほかの人と結構ズレているようだ。だから、好きだと言っても理解されないことが多い。それどころか、理解されずに引かれてしまうこともある……。だから「これって素敵なんだよ」とか、「絶対気に入ると思うよ」とか、相手に強くオススメすることが苦手で、「みんなはどうかわからないけど、私が勝手に好きなの」としか言えないだけなのだ。

単純に自信がなくてできなかったことに対して、それが「いいところ」と言ってくれて、嬉しさ半分、もう半分はきつねにつままれた気分になった。

そして、やさしい同僚の感情をしっかり真に受け、ポジティブな人が言う"短所は長所”なる魔法の言葉は、実は真実なのかもしれないと思いをめぐらせた。


たとえば、楽しそうに話している人を見ると、それだけで楽しさが伝播してくる。その代わり、悲しい話や暗い話を聞いている時は、誰よりも先に奈落の底へ落ちていってしまう。

以前、外国籍のアルバイトの子が会社の不満を総務に訴えていたときも、ディスプレイ越しに聞いてるだけで動悸がしてしまった。いつもはきれいな日本語を話す彼女なのに、言葉が喉にひっかかり、涙をすするのに精いっぱいで伝えたいことをうまく伝えられていなかったのだ。

感情移入して動悸がした後は、いったんその場を離れてコンビニでメープルクッキーを買った。彼女が会社に居づらくなってしまったら、私はずっと気になってしまうだろう。メープルクッキーと、彼女の書いた記事の好きなところをメッセージカードに添えて渡したら、次の日も今まで通り出社してくれて、そして今までよりもたくさん話すようになってくれた。

「HSPの強みってなんですか?」

その質問には、きっと答えがある。生きづらさと向き合い、寄り添い、一生懸命生きているから、強みだってあるはずだ。これだけ考えてもまだうまく言えないけれど、「多くの人と楽しく生きていく」ことにおいては、けっこううまいんじゃないかと思う。短所だって環境が変われば長所なのだ。


そもそも青木さん、「境界線が薄いところ」が私を採用しようと思ったところって言ってたんだから、それこそ彼には強みとして見えてたんじゃなかろうか。

ご参考:

去年の毎日note

寝なきゃいけない焦りと、ネタの無い焦りが伝わってくる去年の私のnote……

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