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とにかく冒険に出たくなる「バウルの歌を探しに」

「バウルの歌を聴く」を目的に飛び出した旅の本

バングラデシュやインドのベンガル地方にいる吟遊詩人「バウル」の歌を聞いてみたい、と旅を計画した川内有緒さん。カメラマンの友人を誘い、事前に調査を行い、知り合いのツテで日本語の堪能なバングラデシュ人をガイドにお願いし、歌を聞くための準備をしていざ旅に出ます。

“一番大切なこと、それは、自分はいったい何者なのかを知ること“

旅を続けて気づいたのは、バウルの歌詞に、さまざまな哲学が隠れていること。歌を聴くだけでなく、歌の“意味”も知るために、さまざまなバウルと接点をもって謎を解明していく川内さん。その姿はまさに冒険家のよう。

旅に出ようと決めてから、どこに行く?を考えて、さらにぽこん、と頭の中に閃いた「バウルの歌を聴きに行く」。12日間にわたる旅の記録の中には、さまざまなバウルと知り合い歌を聴いていくところ、それでも物足りず、詩の意味を追求しようとするところ、「せっかくだから」と決めた目的に向かって圧倒的な熱量を注いで旅を続けるシーンが、川内さんの想いと一緒につづられています。

こんな旅がしたいし、こんな本を出したい

読んだきっかけは、お世話になったライターの方が「もりやさんの文章に合うんじゃないかと思って」と言ってプレゼントしてくれたから。アパートメントの記事を見ながら考えてくれたみたいです。あの記事からこの本を紹介してくれたなんて、本当に考えてくれたんだ……と思うと胸がいっぱいになってしまうほど。

私が30か国以上へ足を運んで気づいたのは、目的を作って飛び出し、その途中で色々な人と絆を結んでいく、この本のような旅の仕方が一番好きだということ。こんな風に冒険をしながら、そこでの記録を本に出来たら、なんて幸せなんだろう。思わず妬んでしまいたくなるほど夢を実現していた本でした。

目的があったほうが旅の経験はより深くなる。取材に行くようになってからさらに思うようになりました。“目的”のヒアリングをきっかけに、その土地のことを詳しく知れたり、現地の人と仲良くなれるからです。

偶然、毎日note課題図書で川内さんの別の本も読んでいました。こちらもワクワクが止まらない素敵な本。生き方に興味のある方はぜひ読んでみてください。


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