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カタチから入る解決方法

雨のふる夜に大泣きしながら電話をした日があった。1か月の遠地出張が始まって、1週間も経っていない頃だ。

きっかけは、夜、外から誰かの足音が聞こえたから。生まれて初めてマンションの1階に住んだ。知っている人は誰もない。ザーザーとふる雨音の中、時々ガシャ、ガシャ、と砂利道を歩くような音が聞こえた。

窓の向こうが砂利道だったのか、正直覚えていない。「1人である」という寂しさから聞こえてきたものなのかもしれないし、これがきっかけになっただけかもしれないけれど、とにかくわんわん泣きながら友達に電話を掛けた。

最初は、何も言わなかった友達。大丈夫だよ、とか、気のせいだよ、とか、遠く離れたところからは気軽に言えなかったのかもしれない。言いたいことをギャーギャー言っていたら突然、ピロンとLINEの届く音が聞こえた。「URL送ったから、見てみて」と友達の声が聞こえた。

通話をスピーカーにしてLINEを開く。その人から送られてきたURLは、当時好きだったお笑いのyoutubeだ。友達とタイミングを合わせて再生し、一緒に見ていると、だんだん動画に夢中になって、5分もたたないうちにすっかりケラケラ笑っていた。なんと、こんなにも簡単に機嫌は直るものなのか。

辛いことがあった時に、「元気出して」とか、「考えすぎだよ」とか、声をかけてもらっても対処できないことは多い。良く無いことばかり考えてしまう時に、「もっとプラス思考になって」と言われても難しい。急になれないからマイナスになっているのだ。

自らの意志で自分の思考を変えることが難しい時は、「プラスの感情」になる要素を外から持ち込んでくるのが良いのかもしれない。自分だけで解決しようと思っても、思考回路をコントロールするのはかなり高度なテクニック。だから無理やりにでも気をそらせられるような、大きなポジティブを生み出すものを外の働きで入れることが大事なのだと思う。自分から生み出さなくても周りにポジティブな感情があれば、その流れに乗って感じ方も変わっていくかもしれない。まずは環境を整えることで、気持ちも自然に移っていくのだろう。

忙しくなった時も同じことがいえる。コンビニ弁当を買って帰った日でもお皿に盛り直して食べるとか、ペットボトルの飲み物はそのまま飲まず、お気に入りのコップに移し替えて飲むとか。自分の働きかけで変わることが難しい時は、無理やりにでも環境を理想へもっていくことが、解決の糸口になっていくのかもしれない。

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