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怪しい広告からのエスケープ事情。

あけましておめでとうございます。

といっていいのか、ギリギリのタイミングですが、新しい年を迎え、この度、Hatena Blogからnoteにお引っ越しをすることにしました。

「全力疾走、ときどき爆睡。」というこれまでのブログ。
http://suzukimiho.hatenablog.com

タイトルはなかなか自分らしくて(約30年前、すでに妹と全力疾走している写真を見つけました!)気に入っていたのですが、一生懸命書いた記事の上に「絶対に治る!」などと書かれた科学的根拠の乏しい療法の広告が出てきて、「この広告を非表示にする」「広告が不適切である」と何度押しても追いかけてくるモグラ叩き状態になってしまったので、投稿するのも次第に億劫になり、しまいには愛想を尽かしてそんな広告と共演することのないこちらの世界に逃げてきました。

わたしの課題意識は、昨年Yahoo!トップに長く鎮座させていただいたおかげでかなり多くの方に読んでいただいたと伺っているこちらの座談会記事で詳しくわかると思うのですが、怪しい医療情報は国民の敵、くらいに思っています。

がん患者を惑わす「甘い言葉」とは?
インチキ医療で命を落とす前にできること

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170707-00010002-bfj-soci

2008年、24歳で乳がんを告知されて闘病中だったわたしは、科学的根拠の乏しい医療情報を見て、「載せられた体験談の方々のように簡単に治ることがあるのであれば、かけてみようかな…」と思ったことが、何度かあります。

当時、報道の仕事を始めて3年目。
がんを告知された最初の段階で、取材するかのように何人かの専門医の方々をまわり、納得して手術や抗がん剤などの標準治療を選んで受けていたはずなのに、それでも、揺れる揺れる。
手術で右胸を失わなくてはならないとき、抗がん剤で髪の毛が抜けていくとき、死の恐怖で眠れないとき…
一歩一歩着実に重ねていかなくてはならない辛い治療を全て飛び越えて元気になれる方法があるならと、真夜中にネットを見て魔が差しそうになることがあったものでした。

わたしの場合はステージIII、しかもかなり悪性度もリスクも高いタイプの乳がんだったので、もしあの時に道を示してくれる人が周りにいなかったら、やるべき治療から逃げていたら、この命はおそらく今、ここにない。

あれから10年が経とうとしている今、医療は進歩し、がんであってもより長く生きられる時代になり、社会の理解も少しずつ進んでいる実感はあるけれども、怪しい広告を目にする機会は全然減らない。
まがりなりにも情報を扱う仕事をし、患者さんやご家族をサポートするセンターを運営し、医療情報はやっぱり命の問題に直結すると再確認し続ける日々を送る中で、人の命を食い物にする広告や記事は撲滅したい。
撲滅までの道のりは遠くても、まずは同じブログで共演してしまっているところからやめようと思ったのでした。

お引越しをしても、これからも「全力疾走、ときどき爆睡。」スタイルで邁進していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

#がん #医療情報 #広告

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