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新しい主治医との関係構築

4月に入り勤めている病院も医師や看護師の
異動がありました。
そうすると、必然的に主治医が交代した
患者さんが治療室にも何人も沢山いらっしゃいます。

今日、治療室に来られた患者さんとの会話の中で
「前の主治医にはなかなか本音が伝えられないままだったわ。」と告白された場面がありました。

癌の顔つきによっては進行速度が早く
タイミングを逃すと手術適応外になってしまう
ものもあり、その患者さんはとにかく早く
手術をした方が良いと説明されて承諾され
手術に臨みました。

「私はそれで終わると思ってたのよ。手術が終わったら今度は傷がまだチクチク痛むところに
抗がん剤をしましょうって言われて、聞いてないわよ〜って思ったんですよ。説明されてたかもだけど、とにかく展開が早くて飲み込めなかった。
抗がん剤も2回目くらいまではしんどかったって言われる人いますけど、あとは割とうまく対応されてますよー。って軽く言うけど私はしんどいのよ。こういう事を伝えるのがなかなかできなかったの。次の先生には言えるかしら?」

おそらく主治医は事前に病状説明や治療方針を
説明して同意を得てサインももらっているのですが、上記のように展開が早いと患者さんの受容が追いつかずに、不安が軽減されないままどんどん治療が進んでしまったのだと思います。

私が関わる限り、セルフケアはできていらっしゃいますし上記のように看護スタッフには
思いを表出する事ができていると捉える事が
出来ます。

ですが、この関係性を新たな主治医と構築して
いくストレスは私たちが想像する以上のものが
あるのかも知れないと考えます。

なぜなら、治療前から関わってくれた
主治医ではないわけで、どこまで私の病状や
思いを理解してくれているか、理解してくれるのか…患者さんの大切な命と向き合って
もらうのですから
この先生は本当に大丈夫なのだろうか?
と思うのは当然の事だと言えます。

そういった場面では
看護師は思いの橋渡し役となり
双方の思いを汲み取り共感しながら
伝えることはきちんと伝えてお互いを
理解して頂くことに全力を尽くします。

カルテだけでは見えてこない
主治医の思い
患者の思い
双方の思いの分かち合いをすることで
次への治療がスムーズに進み
関係構築に繋がっていった経験を何度も
してきました。

逆に関係構築が上手くいかず、主治医を
変えて欲しいと申し出る患者さんも
いらっしゃるのは事実です。

そういった場合も同様に
思いの分かち合いをして上手く関係構築が
可能になる場合とこちらがどんなに
関わっても難しい場合もあります。

私のことを思って欲しい、寄り添って欲しい
理解して欲しいという思いが根底があるのだなと
考えます。

寄り添って思いを分かち合う

傾聴と共感という事に尽きるのだなと
改めて思うのでした。

さて明日も忙しくなりそうな予感!
笑顔と親切でお仕事させていただきます。

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