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宿場町に泊まってみた@中山道

 大学の同級生との旅行で中山道(なかせんどう)の宿場町に行くことに。東海道は新幹線も通ってよく知っている道だけど、中山道って歴史で勉強した気がするなぁというレベル。そんな感じだったけれど、行ってみると新しい発見があってとっても楽しい旅行になった。

1日目

 木曽福島駅で集合⇒⇒木曽義仲の墓を訪問⇒奈良井宿をぶらぶら⇒旅館にチェックイン(木曽福島)という流れ。

木曽義仲の墓(長野)

 『鎌倉殿の13人』の序盤で無念の最期を迎えた木曽義仲のお墓が、木曽福島駅の近くにあったので旅の最初に訪問。木曽福島という地名からしてもしやと思っていたけれど、やはり木曽義仲のゆかりの地だった。私の中の木曽義仲像は『鎌倉殿の13人』と朝倉卓弥著の『君の名残を』でできているので、武骨で良いやつ。打倒平家の道半ばで無念にも生涯を終えた人というイメージが強い。けれど友人たちと話していると、私とは全然違う残虐非道のイメージもあったりして、歴史上の人物はどの物語で触れたかで全然印象が変わるなと思った。

木曽義仲の墓

奈良井宿(長野)

 宿場町というところに初めて来たのだけれど、道の両側に当時の建物が立ち並ぶ風景は圧倒されるものがあった。しかも、かなり多くの建物が歴史的遺物として管理された状態ではなく、カフェだったり、お蕎麦屋さんだったり、お土産屋さんだったりと活用され今も人が行きかう町として生きている。

良い感じの街並み

 なんだか素敵だなと町をぶらぶら、そうこうしているとランチタイムになったのでいい感じのお蕎麦屋さんへ。何気なく入った『徳利屋』というお蕎麦屋さんは、なんと江戸時代に脇本陣として使われていたところだったそう。脇本陣とは大名が宿泊するような格式の高い宿泊施設のこと。詳細は脇本陣 – Wikipediaを参照。

囲炉裏のあるお蕎麦屋さん

観光ガイド@奈良井宿

 友人の提案で観光ガイドの方に奈良井宿について解説してもらいながら街ブラをすることに。1時間で一人800円。正直 私は観光ガイドよりも、周辺の山道ドライブでも良いかなと思っていたけれど、観光ガイドで正解だった。ガイドさんが当たりだったのもあるが、ブラタモリみたいでとても楽しかった。面白かった豆知識の一部をご紹介。

■中山道と東海道
 どちらも江戸と京都をつなぐ街道で徳川幕府が整備させた道。中山道はかなり険しい山道、対して東海道は海沿いなので比較的平坦な道。普通に考えると東海道を通って行った方が楽そうだけど、中山道を使って江戸⇔京都を行き来する人がけっこういたそう。
 理由は『中山道の方が安く通れるから』。東海道には大きな川(多摩川、富士川 などなど)があり、それらを渡るには高額なお金を川渡しに支払う必要があったから。

■ずいずいずっころばし
 小さいころに聞いたことのあるこの歌は、中山道を通るお茶壷道中についての歌だそう。お茶壷道中とは京都から江戸の徳川に最高級のお茶を届けるための行列のこと。このお茶壷道中は江戸から京都へお茶を取りに行くときは早く行ける東海道を通り、お茶を江戸へ持ち帰るときは時間のかかる中山道を通った。
 理由は『お茶を湿気させないため』。最高級の茶葉を徳川幕府に最高の状態で献上するために、時間はかかるけれど中山道を通ることで湿気からお茶を守る必要があった。お茶壷道中について詳しくは宇治採茶使 – Wikipediaを参照。

■越後屋とえちごや
 下の写真は同じお店の屋号の表裏。一方は漢字でもう一方はひらがな表記となっている。宿場町ではこのように表裏で漢字とひらがなで表記されるのが一般的だったそう。すべてのお店でどちらが漢字で、どちらがひらがなにするかも決まっていたとのこと。
 理由は『旅人が方向を間違わないため』。峠を越えて疲れた旅人が宿場町で疲れを癒やし、いざ目的地へ向かおうと、宿を出て自分はどちらから来たんだっけ?とならないように江戸に向かう方が漢字表記、京都に向かう方がひらがな表記となっていたとのこと。一説によると、京都に向かう人つまり江戸の人は学が無いから、漢字は読めないでしょうという皮肉を込めて京都へ向かう方がひらがな表記になったとか(笑)。

漢字とひらがなのえちごや

今回の宿:おん宿 蔦屋

 奈良井宿を満喫した後は、今回の宿のおん宿蔦屋へ。江戸時代から続く300年の歴史ある旅館。建物はそんなに新しい訳ではないけれど、きちんと手入れの行き届いた素敵なたたずまいの旅館だった。

夕食

 メインは無菌豚という牛肉のようにレアで食べられる豚肉と牛肉のしゃぶしゃぶ。その後はしゃぶしゃぶのお出汁で食べる「とうじ蕎麦」。とうじ蕎麦とはおたまみたいなザルに小玉の蕎麦を盛って、鍋でほぐしてつゆにつけて食べる。昼のザル蕎麦とはまた少し違って、これも美味しかった!

しゃぶしゃぶ!

朝食

 一人ずつ小さな釜で炊いたご飯。ご飯をもりもり食べれるよう、お供がいっぱいの朝食。朝から健康的な朝食で程よくお腹いっぱいに。

おかずいっぱい

2日目

 木曽福島宿をぶらぶら⇒妻籠宿をぶらぶら⇒馬籠宿をぶらぶら⇒中津川でモンブランを食べて解散。

妻籠宿(長野)

 ここもしっかりと宿場町の雰囲気を残しているところだった。妻籠宿には江戸時代の本陣を復元した場所があった。奈良井宿のガイドさん曰く、本陣は大名が宿泊する施設のため間取り図が残っていないことがほとんど。そのため、一度取り壊されると再建が困難とのこと。妻籠宿の本陣は江戸時代後期の間取り図が残っていたらしく復元できたそうだ。

馬籠宿(岐阜)

 坂!坂!坂!坂道にある宿場町の馬籠宿。下りは良いとして、上りの絶望はなかなか半端なかった。駐車場が坂の上と下にあるので、最初に頑張るか後で頑張るかを考えて車を停めた方が良い。
 馬籠宿のある中津川市は栗きんとん発祥の地だそうで、お土産に栗きんとんを買った。川上屋という和菓子屋さんで購入したのだが、ほぼ栗を食べてるようで最高に美味しかった。お昼ごろに購入したのだけれど、その時点で栗きんとんはほとんど売り切れていた。

中津川宿(岐阜)

 栗つながりで美味しいモンブランのお店を見つけたので、旅の締めくくりにmeet tree Cafeへ。お客さんがいっぱいいたけれど、ギリギリ座れたのでプレミアムモンブランを注文。ドキドキして待っていると運ばれてきたのは写真のようなモンブラン。「・・・?え?これモンブラン?」一同唖然としていると、木枠を外してから食べるようにと店員さんに指示される。恐る恐る木枠を外すとモンブランが雪崩を起こした!!おお!!っとなったものの、雪崩後の静止画は私の力では美味しそうには撮影できなかった(笑)。でも、味は最高だった。栗感がすごい!ほぼ栗を食べてるような自然な甘みで最高に美味しかった。

想像と違うモンブラン
木枠を取った後のモンブラン

まとめ

 今回は初日に観光ガイドの方にいろいろと宿場町について知識を教わっていたため、宿場町を最高に満喫することができた。何の知識もなく宿場町を見ても古い町並みが残ってるなーと思っただけで、久しぶりに友人と会えて良かった以外に印象が残らなかったと思う。歴史がある場所を楽しむときは、ガイドさんに頼ってみるのもありなんだというのが、この旅行の新しい発見だった。

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