ブラッシュアップライフ 感想
人生何周目?
主人公の近藤麻美が、人間に生まれ変わるために、人生を何度もやりなおすというもの。転生もの、タイムリープもの、ネタとしてはありふれたもなだけど、結構考えさせられるドラマだった。
※ネタバレ多いのでまだ観てないないかたは要注意※
人間に生まれ変わるのが難しい訳ではない
第一話で主人公の麻美が1周目の人生を終えて、麻美とバカリズムとちょっとした問答をする中でのバカリズムの発言にはっとさせられた。
当然のように、たぐいまれな頭脳で食物連鎖の頂上に君臨している人間がこの地球上でもっとも高尚な生き物だと勘違いしているなと改めて感じた。確かに、アリからしたら人間は巨大な化け物にすぎないから、何度人生を繰り返しても、人間になりたいとは思わないかもなぁ。
人生をやり直してる割にはインパクトがない
人生3周目で、麻美がドラマのプロデューサーをしているときに、自分の体験をもとに「ブラッシュアップライフ」というドラマを企画した。その企画会議のやりとりでニヤニヤしつつ、はっとさせられた。
本人としてはそれなりに頑張ってやったことでも、他人からみたら意外と大したことない普通の人生だったりする。私はドラマとして、麻美の2周目、3周目のささやかに変化している日常を楽しんで観ていたけれど、言われてみたら、確かに人生やり直しているわりに地味だ。とニヤニヤしてしまった。
そして、それと同時に普通の人である自分の人生も他人からみたら、地味な普通の生活で、面白みとかはないんだなと思い知らされた。
普通で地味でも今を楽しく生きる
今までの人生と違って、5周目はこれが最後の人生だと告げられていた。そしてなんだかんだあって、麻美はこの最後の人生5周目で飛行機の墜落事故を防ぎ救世主となった。2周目の地味だと言われた人生とは全く違う人生を送っていた。
そんな、人のうらやむ完璧な人生で、麻美は目的の飛行機事故の未然防止を果たすと、パイロットをやめて、人生1周目で働いていた地元の市役所にもどった。そして、地元の友人たちと週末にごはんを食べるという、普通の人生を謳歌し100歳近くまで生きて亡くなった。
人生を何度も繰り返して、最後の人生で本当に麻美がやりたかったのは、気の合う友達との普通の日常だった。特別なこと、すごいこと、称賛されることが、必ずしも自分にとって"良い"人生なのか。そのことについて考えさせられるものだった。
一度でも何度でも自分の人生
人生を最初からやり直すことは、できないけれど気づいたときに、生き方を変えることは誰だってできる。
周りと比較して、いわゆる素晴らしい人生を送る必要はない。自分が自信をもって生きたいと思う人生を過ごすことが大切。そんなメッセージがあるドラマだったなぁと思った。
麻美とほぼ同い年の私には、どう生きるかをすごく問うてくるドラマだった。
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