見出し画像

兄の結婚式で涙を見せたあなたへ

貴方はなんて素敵な感性の持ち主なんでしょう。
兄の結婚式で真っ先に見せた貴方の涙は、私の心に強く響きました。

扉が開けられる前、貴方は「緊張する」と言っていました。まさにその時すでに扉の向こうに立っている兄の気持ちに感情移入していたのでしょう。
母親である私は、のほほんと「楽しみ〜」なんて浮かれていたと言うのに・・・。

いつも兄と共に居た。物理的距離が離れてもずっと共に。
扉が開いた瞬間にはもう一筋の涙が溢れ出していたのでしょう。
克俊に向かって歩く私の少し後に続く壮真を振り返ると、感無量の貴方がいました。
私は本当に心の底から嬉しかったです。

貴方の涙は私は想像していませんでした。私にそこまでの余裕がなかったのも事実だけれど、いつもクールででんと構えた貴方の感情の昂りを見るのはあまり経験がありません。

兄の結婚、養子縁組であることも含めて、色々な情景を目の当たりにし、全てそのまま受け止め、祝福していました。
克俊が壮真に「向こうの姓を名乗ること、どう思う?」と聞いた時貴方は、「苗字が何でもかっくんはかっくんやから。いいんちゃう?」と即答しました。戸惑う私をよそにとてもカッコよかったです。

壮真はいつも克俊の味方でした。私が克俊と感情的に少し歯車が噛み合わなくなってしまった瞬間も公平にかつ、兄の味方になっていました。そして私へのフォローも忘れず、兄の気持ちを代弁して分かりやすく伝えてくれました。
年齢が上がるにつれて、二人の関係はどんどん信頼関係が深くなり、私と三人で居る時も二人で話が盛り上がり、私はぽつ〜んとそれを眺めながら、兄弟仲の良いことに幸せを噛み締めていました。

兄とは性格の異なる部分も多いけれど、お互いにリスペクトし合い、寄り添って来ました。私はそんな壮真の優しさ、懐の大きさ、兄を立てつつも自分の人生をしっかり切り拓いて生きている大人になった壮真が、心から誇らしいです。今回の克俊の結婚式を通して、壮真の成長も感じ取ることが出来ました。

本当に静かに穏やかな壮真。でも心の奥には深い情熱を持ちながら生きているんだな、と思いました。ラグビーに向ける熱意も同じでしたね。表にはあまり見せない情熱が壮真にはあるのだな、と強く感じました。

今、私が住んでいるところからは遠い地で働いて一人暮らしをしている壮真。休日には色々な料理を自炊して有意義に過ごしている壮真。そんな貴方にも貴方を大切に想ってくれる人が居て、日々その信頼関係を深めていってることでしょう。
息子が人に愛されること、それは母の私にとっては、何よりもの幸せです。
大切にすべきものが何か、生きるために必要な力は何か、あなたは何でも知っている。困った時もコツコツと努力を続けられる人です。

そんな貴方を産んで本当に良かったと、先日直接言いました。心からそう思っています。兄と私を支えてくれてありがとう。本当の意味で、三人の土台となってくれているのは、実は壮真なのだと思います。

みんなを支えてくれているのだと、今回、克俊の結婚式を通して、実感しました。

ありがとう。本当にありがとう。


読んで下さってありがとうございます! 励みになります。