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発達障害の5歳児の加配に付いての日々の葛藤、疑問、私の考え方の軸。

4月に勤めていた保育園を転職し、5歳児の発達障害の子ども二人の加配として5歳児クラスに入っている保育士です。その二人は双子くん。とは言え二人の発達障害の傾向は異なり、当然ですが、一人一人に合った援助の仕方を模索しています。

そんな中、下記の動画を観て、私の今のもやもやとした、発達障害の子ども援助についての疑問、方向性を探っている状態がどのポイントなのか、が分かったのでまとめます。


https://youtu.be/6F3R7FO-Gv4


発達障害を持つ子どもには、こだわりが強い子どもが多いです。言葉で説明しても譲れない部分があり、理解が出来ない部分もあります。そんな中、大人の作ったルールや集団生活をする為に我慢を強いることへの私の感じる違和感。本人は激しく抵抗します。泣いて癇癪を起こしてしまう事もあります。そしてそれはとても長引きます。

この動画を観て、このお母さんは、本当に素晴らしい育て方をしておられるな、と思いました。その子どもに寄り添いながら、「どのこだわりは見守って、どのこだわりはストップをかけるか・・・とても難しいです。」と文字で書かれていました。まさにこの事です。私もそう思います。このお母さんに関しては、何より、我が子どもの発達の障害に関する受け入れ方と子どもにかける愛情が前向きで、お父さんも然り、とても素敵な家族だと思い、感動しました。


保育園と言う集団生活の中では、従来のやり方、一般的常識には、それでも一人だけ特別扱い出来ない、とか、発達障害について理解がない人には、わがままと捉えられます。発達障害の子ども達には悪気は一切ないのに、叱られる経験、我慢させられる経験が、成型発達の子どもに比べて多いです。そこから生まれる感情は、負の感情です。成型発達の子どもでさえ、イヤだなと思いながら我慢を強いられ、画一化される教育が長い年月続けられて来ました。

私が学んだ知識によると、発達障害の子どもが自分の周りとの違いに気付くのは、10歳頃だといいます。それまでの期間、叱られ続け、思いを受け止めてもらえずに過ごした子どもは、自分はみんなと同じように出来ない、悪い子なのか、と言う認識が生まれます。生きるのに大切な自己肯定感が低い状態になるのです。

その先に生まれるのは、生きづらさ、です。


これからは多様性が認められる時代に変わって行く、または、変わるべきだと思います。そんな中、今、目の前に居る子どもにどこまでの我慢を強いるのか。恐らく正解はないだろうけれど、私にはどうしても、どうにもならない事項に関して、叱る事が出来ません。押さえ付ける事が出来ません。私の優先基準は、その子どもがいかに居心地良く過ごせるか、ストレスを軽減させてあげられるか、なのです。苦手な理解部分に対して、分かりやすくしてあげる事、時間がかかる部分に関して、寄り添ってあげる事。

従来の日本社会において、我慢は美德とされて来ました。我慢の程度にも寄りますが、それをして続けて来た事で、個性が奪われ、人生の喜びを見つけることが出来なくなった大人がどれだけ居ることでしょう。Noと言えない日本人はとても真面目で勤勉です。でももうそれが正解ではなくなる時代が目の前に来ています。


卒園に向けて、きっと私はその加配が必要な子ども達の受け皿にしかなれないかもしれない。その二人の子どもは、心が綺麗で純真で、今までに強いられた我慢も抵抗しながらも受け入れて来たかもしれません。加配保育士として色々なことを求められる中で、小学校で過ごすその2、3年後を想像しながら、付けるべき力は目標としておいた上で、この子ども達に対する愛情を一番大事に過ごして行きたいと思います。


Aくんは、普段、周りの友達と関わって遊びません。一人遊びが好きで、空想の世界に集中する事が多いです。観察がとても得意。文字はスラスラと読めて、絵本の世界にも入って行きます。その集中力は優れています。それでも誰かが大きな声で泣いていると、ふとその子の方を向いて、「どうして泣いているの〜?」と私に聞いて来ます。「ママに会いたいのかな、淋しいのかな?大丈夫だよ、って言ってあげて。」と促すと、「大丈夫だよ」と優しく言ってくれたりするのです。泣いている友達には目を向けることが出来る優しい子どもです。

Bくんは、一人遊びも友達との遊びも出来ます。公園に行けば鬼ごっこをして走り回ります。楽しい時は表情も豊かです。けれど、ふと自分の思いが上手く伝わらなかったり、他の先生に叱られた時は、ひどい癇癪を起こし、落ち着くまでしばらく時間がかかります。そんな時は、どんな言葉も届きません。地面を舐めたり、机の端を噛んだり、お茶や水を廊下にばら撒いたりします。つい先日もそのような事があり、本人は何で叱られたか?と言うことを考える段階になく、パニック状態になっているので、まずは落ち着かせることが先決。周囲の子どもたちの目もあります。苛立ちをお茶を撒くと言うことで発散しようとしたので、私はそれを止めることをせず、雑巾を持って来て、「いいよ、流してみな。」と。Bくんは、流しては雑巾で拭き流しては雑巾で拭き、、、を繰り返します。そろそろいいかな、と思い、私が「お母さんが入れてくれたお茶、なくなっちゃうよ?喉乾いてるでしょ?少し飲んでみたら?」と言って促し、飲んで落ち着きました。


新型コロナによる登園自粛で、今月のシフトは月水金になり、火曜日と木曜日は、他の先生が見てくれていると思います。先生によって対応の仕方は違う。今頃、どうしているかな・・・?と、休みの日も考えてしまうくらいには、私はあの双子くんが大好きです。

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