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妻の切迫早産を支えるテクニックと心構え

先日、めでたく第一子が誕生しました!!

そこまで2〜3ヶ月くらい、妻の切迫早産のケアを頑張ったときの振り返りです。フルタイムで働きつつ、ケアと家事を一人で回すための対策をまとめました。

これらのケアにどれだけ意味があったかは分かりませんが、30週も保つかわからないと言われていたところ、概ね35週での出産に至ることができました!妻の頑張りに感謝です。


前提知識

そもそも切迫早産とは何か

早産になりそうなリスクを抱えた状態を指します。早産は生後の成長への悪影響を高めるので、臓器や各種器官が十分に発達するまで(いわゆる十月十日)は胎内での成長が望ましいです。

切迫早産に至るメカニズムは完全には解明されてないようですが、赤ちゃんを保持するための体の状態が不安定なので、安静にする必要があります。妻は重度だったので、トイレ以外は1日中ベッドに横たわっている状態が理想であると指導されました。

つまり、通常の妊婦さん対応(つわりケア、食事内容の変更etc)含め、体を動かすタスクを本人がやることが全くできなくなりました。

切迫早産と診断された時に覚悟すること

妻が動いた分だけ特に新生児のリスクが上がり、緊急事態にもなりえます。

  • 早産に備え、NICUのある病院に案内してもらう必要があります。設備数が少ないので、病院を選択する余地はほぼないと思った方がよいです。

  • 里帰り出産ができなくなる場合があります。長距離移動による体への負担が大きいため。

  • 特に重度だと、管理入院として3ヶ月といった長期間にわたって入院する場合があるようです。

  • 外出はほぼ諦めます。妊娠中後期は体力作りのため動いた方がいいなどの情報が世の中に多いですが、全て無視です。マタニティフォト / マタ旅 / 外食納め / 安産祈願 といったキラキライベントも全て無縁になります。

  • 妻の仕事は継続できないので、産休+欠勤になると思われます。在宅勤務も厳しいと思った方がよいです。

我が家は2人 + 猫2匹で実家の支援は難しかったので、夫である自分が全てを回すことになりました。

産後ケアとの違い

安静にするという点では同じですが、期間が長いこと(産後はだんだん動けるようになるのと対照的)、また仕事の休みが取りにくい点が大きく違うかと思います。パパ産休のような制度も産前はありませんし。
産後だったら会社も融通しやすいかと思いますが、例えば3ヶ月も時短勤務にはできないのではないでしょうか。

入院 or 自宅療養

リスク管理してもらえる点で入院がベターと思っていたのですが、実際に3週間ほど入院した結果、いくつか問題がありました。

  • 食事の不自由。病院食が足りないが、ベッドから動けないのでコンビニに行けない

  • プライベートの不自由。急に人が来るので落ち着かない、隣人の音が気になって寝られない、など。

  • 生活リズム。朝も夜も早すぎる

  • 長期入院だとどうしても費用が高い。(高額医療の上限金額が二ヶ月分かかりました)

以上の点で、できるだけ入院せずに自宅療養をすることにしました。

余談ですが、切迫早産の妻の入院に対する夫の心境の調査の論文が面白かったです。
論文のリンク

実践テクニック

実際にやった対策をステップに分けて説明していきます。なお、在宅勤務で仕事時間が自由だったのは明記しておきます。

その0:気合いと知識を入れる

いきなり根性論からです。ケアを怠って早産となった場合、新生児には障害が残ったり、最悪の場合は死に至ります。週数が短いほど各種リスクが上がります。「家事を積極的に手伝う!」程度の意識だと生活が崩壊するので、抜本的に心を改める必要があります。

まず妊婦さんケア全般を一通り把握しました。てつわりケアを始めとして、食べない食材リストを覚えたり、滑りそうなものを床に置かないように片付けたり、妊娠線ケアの情報収集だったり。

特にこの本は、夫側視点で何をすべきかが簡潔にまとまってて勉強になりました。

次に早産のリスクを理解します。「まあ現代医学でどうにかなるっしょ」などと勘違いされてる方(かつての自分です)は、これを読むと危機感が高まってよいです。

世の中の妊娠出産情報の9割は正規産を前提にしています。某xy babyなどのキラキラ情報誌は、別の惑星の話と思って頭から捨てるべきです。誤った対応に繋がりかねないので、これはマジで大事です。

その他、病院で言われることをベースに、医療機関が出しているガイドラインなどを参照するといいと思います。

その1:やらないことを決める

フルタイムで仕事しながら、今まで二人でやっていた家事の全て一人でこなすのは不可能です。家事自体を減らす努力をしました。窓のサッシの掃除、猫のシャンプー、部屋の片付け、布団を干す、洗濯物畳む、湯船に入る(風呂掃除の頻度を下げるため)、などを自分は諦めました。

諦めていい家事とダメな家事があるので、早めに話し合った方が良いです。水回りの掃除を放置するとカビます。

その2:自動化する

ロボット掃除機、食洗機、洗濯乾燥機を揃えるのは必須でしょう。この3つを普通にやるだけでかなり労力を取られます。

猫の世話で手間になりがちなトイレとご飯も、それぞれ自動化しました。

自動トイレは特におすすめです。もともと旅行時にペットホテルに預けない目的で導入しましたが、革命的に掃除が楽になりました。

その3:委託する

家事代行を積極的に使いました。料理の作り置きを週1で依頼すると週の半分くらいの食事をカバーできるようになる上、病院から受けた食事指導(減塩とか)も全部できて大変助かりました。

この点、福岡市は支援が手厚く1回500円という破格で依頼できたので神…!!

買い出しはネットスーパーとECにお願いしました。消耗品はAmazonや楽天のセールの時にまとめて注文、食料品はネットスーパーで揃えることで外出する機会が相当減らせます。

力尽きてどうしても調理が無理なときに、宅食・宅配を使って作ってもらいました。宅配ピザなどセールのときにまとめて冷凍しておくと、雑な食事に使えて便利です。外食や惣菜は基本的に塩分や油脂が多いので、頻度は最低限に。

自分の食事はなんでもいいので冷凍食品を多用しました。妊婦さんとは食事のタイミングが合わないことも多いですし、冷凍ラーメンは美味しいのでよいです。

病院などの行き来は全部タクシーが望ましいです。💸💸💸

その4:家事の完成度を下げる、効率を上げる

食事関係は特に負担が大きいです。3食を普通に準備すると力尽きてしまうので、いろいろ工夫が必要でした。

食洗機を回す頻度を減らすため、食器を多めに買いました。スプーンや箸などよく使うものは2〜3セット。メルカリで未使用品が安く揃います。

料理は一度に多く作って冷凍しておくと、一品足りないときの小鉢にできて楽です。このために作り置き用の保存容器を導入しました。

簡単な調理方法を学びました。オーブン料理だと、肉や魚と野菜並べるだけで一品作れるので楽です。同様に炊飯器で煮物もおすすめです。和え物なども短時間で1品増やせて良いです。

スライサーやブレンダーなど、よくやる作業を効率化してくれるアイテムには投資しました。このスライサーは滑るように切れて感動です。

妻も調子がいいときは料理などしてくれたのですが、体調に変化があったらすぐ安静にする必要があるので、いつでも引き継いで料理する or 別途手配する心構えが求められます。

余談ですが、献立を考えるのが意外に時間とったので、ChatGPTのレシピ提案も試しました。それらしいレシピが返ってくるのですが、謎の飯が出てくる手戻りが多いのと、入力が面倒なのでやめました。

その5:時間を捻出する

上司に事情を話して、仕事の責任が重い部分から外してもらいました。気合い入れて仕事効率をあげて、残業がちだったのを早く終わらせていきました。同僚もいろいろ助けてくれてありがたかったです。

とりあえず周囲に相談してみるのは重要ですね!!

その6:やる

とはいえ家事はいくらでも出てきます。やりましょう。体力作りをしておくとダメージが減らせます。

部屋の片付け、排水溝の掃除、風呂掃除、洗面所掃除、キッチン掃除、洗濯とたまに部屋干し、郵便受け回収、ネットスーパーや宅配便の受け取り、料理、食器片付け、買い出しの手配、ゴミの回収とゴミ出し、ロボット掃除機のための片付け、猫と遊ぶ、猫トイレの砂や猫餌の補充、etc etc.

補足:できるだけ妻の動く機会を奪う

例えば宅配便の応対など、以前の感覚でついつい動いてしまいがちです。自分が対応できる時間に配達時間指定するなどして回避した方がよいです。

やむを得ない出張など長期不在では、食事の作り置きをする、猫の餌や水の補充、ゴミ捨て、などできるだけ次善策を打っておくようにしました。不在にしないのが一番の対策だと思います。

反省点

そもそも一人で両立は厳しい

在宅勤務だったからどうにか乗り越えられましたが、毎日出勤だったら破綻したと思います。

家事全般一人で回すのは正直しんどいです。やるの忘れたり、達成度が低す
ぎてやり直したり、仕事で力尽きたり。世の中によくあるフルタイムワンオペはいったいどうやって回っているんですか…練度が違うのかな…

たまに発生する大型家事もしんどかったです。エアコンの水漏れ、押入れの整理、家具の配置変え、衣替え、大雨の後の掃除。出産準備も並行してやる必要があるので、それもジワジワと体にダメージがきます。

親御さんや友人など、近所に頼れる人がいる環境は大事ですね。

生活リズムが作れず疲弊

初期は、一般の妊娠出産とかけ離れた状況を正しく理解するのに時間がかかったうえ、やることが膨大に増えたことで上手く生活がバランスできず疲弊しました。喧嘩もしばしば。

家事やっつけてから午前3時まで働いてた時期はしんどかったです。ルーチンを確立してからは多少余裕ができましたが、この境地に早く至りたかったです。

インドア100%でどう生活を楽しくするか

日常に楽しさを上手くプラスできなかったのは心残りです。外食や近所のイベントに参加、ちょっとした旅行などが普段の過ごし方だったので、インドア生活にシフトするのが大変でした。

寝たきりでできることはどうしても限りがあります。やってみたこと一部抜粋ですが、

  • 動画サービスいろいろ契約

  • 家のTVにHDDを追加して録画環境をつくり、地上波をいつでも見られるように

  • 体調がいいときに備え、5分で行ける近所のレストランをリスト化

  • 新作のコンビニスイーツを手配する

  • ノンアル美味しいドリンクを探して飲み比べ。なお度数表記の0%と0.00%の違いには注意が必要で、人工甘味料は避けた方が良さそうです

  • 手持ち無沙汰になりすぎないよう、体に負担のない仕事を頼む。(頼み事をしすぎると体調悪化しがちなので注意)調べもの、ネットスーパーでの注文手配、メルカリで最安値を探すなど。

自分のご機嫌取りは必要

自分のケアが疎かになってイライラしがちでした。看護師さんとか本当に見習いたいですね。

  • ランチ時間含め、仕事以外でいつでも家事をしなければいけないのがきつかった。頭がうまく切り替わらない。

  • 人付き合いがほぼ消滅した。

  • 半日くらいの軽い外出に気軽に行けなくなった。

  • 減塩食に合わせたせいか体調不良に。ラーメンは回復食。

  • 家事ができる体力と精神力をつけておくべき。力こそパワー。

ずっとPagerdutyのステータスがOn Callになってるような気分で、なかなか落ち着きませんでした。(エンジニア諸氏には伝わるはず
無駄に気を張っていましたし、もう少し効率的なやりようはなかったかなぁと反省しています。育児に生かします。

そういえばこれ誕生日プレゼントに貰って、めっちゃご機嫌取れました。眼精疲労と目のかすみにかなり悩んでたのですが改善しました。こういう短時間で疲れ取れるアイテムは、家事の合間に良いです。


いかがでしたか?

切迫早産って何?と面食らっている男性の方の参考になれば幸いです。自分が事前に知りたかった内容をまとめてました。

いろいろ書きましたが、産後に向けた助走期間に過ぎないので、このタイミングでしっかり慣れると育児もスムーズに始められるかなと思います。お金と時間と体力をバランスよく放出して乗り切りましょう。

最後に欲しいものリストを共有させていただいて終わりにします!!良かったらお立ち寄りいただければ幸いです。

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