#33 味噌汁の上の雲
駅近くの書店でついつい気になって買ってしまった。
読み終えた瞬間、空が美しく見える気象の話 荒木健太郎
本書は割と分厚くて障子に使われる半紙のようなざらざとした手触り。
表紙の絵もまた軽やかで味わい深い。
そして味噌汁の湯気をたとえに雲の生成を説明し、味噌汁の中で起きている熱対流の挙動から積雲の生成についても語っている。
以前から学問の教え方について教科をそれぞれ独立して教えるよりも、教科をまたがって教えることができればなあと思っていた。教師でもなければ子供に教える機会もないのになぜか気になっていた。
自分は、親が教師だったので、教師にはなるまいとして今はエンジニアのはしくれであるへそまがりである。
今は流体計算を用いた設計支援の道に進んでおり、計算結果の理解も難しければ、わかりやすく説明することの難しさは身に染みている。
この味噌汁で空を語るというのは、気象学では一般的な教え方かもしれないが、非常に美しい。いろんな比喩は的確で、明快である。
本書では、その空にまつわる現象を非常に端的にわかりやすく伝えていてとても参考になる。その挿絵一つとってもわかりやすく伝えようという意思が伝わってきて感動を覚える。
まだ読み始めたばかりであるが、いろんな雲に興味も湧いてきた。
子供の頃父に、雲は面白いんだと聞かされた時は、どういうことか全く理解できなかったが今になってその沼の入り口にたたずんでいる。
コーヒーの入った透明な容器のヘリ近くにミルクを垂らすとダウンバーストが再現できるそうなので、機会があれば試したいと思っている。
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