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祖父がガンと聞いて。

今日、サラッとショッキングなことがあった。

1ヶ月前、初めて手術をした祖父。ひどくなっていた腫瘍をとった、ということで、その手術は無事成功したものの、その腫瘍が悪性だったことが今日わかり、再手術となったそう。腫瘍が悪性なので、ガン、といえる、と父が家族のLINEに投稿していた。

今年になって、初めて(遠隔ではあったが)手術に向かう祖父を「見送る」役になった。先天性の病気や思春期に3度の手術を経験していた私は、これまで非常に健康的な祖父母に、いつも「見送られて」ばかりだったからだ。

まだなんとも言えないだけなのかもしれないが、父の口調では 腫瘍が悪性、ということで 進行していて大変、というものではないようだったからか、

この連絡を受け取ってはじめに思ったことは、「それでもやっぱり時が来る。花嫁姿を見せてあげたい、」という気持ちだった。

こういう何かがあった時に、「はじめにどう思ったか」はとても大切だ。

ここに本音が隠れているし、いろんな理由をつけて複雑にするよりも、「はじめにどう思ったか」がやっぱり大切なのだ。


祖父とは 思春期もよく話をしたし、会いに行っていたから、多分とっさに思ったことが「もっと一緒に過ごしておけば」という気持ちではなかったんだろうと思う。それなりに帰るようにしてたし、口下手な祖父だけど私からもよく話しかけてたからだ。だからそれほどそこに後悔はなかった。

とても良い時間を過ごしてきたし、大切にしてもらって、喧嘩をしていたことも、今きまづいということでもなかった。強いて言えば、コロナウイルスの関係で、どうしても帰りづらくなっていたけれど、最近はzoomをつなげて話すこともできていた。

でも1点だけ。初孫で長女の私は28歳。2年くらい前からか、祖父はよく「いつ結婚するのか」「結婚式に出られるのはいつだろう」と口にするようになった。妹が先駆けて結婚して子どもが生まれたけれど、祖父がよく言っていた「結婚式」は開かなかった。

どちらかと言えば(と言わなくてもはっきり)仕事を優先してきた私は、それどころじゃないタイミングばかりで、近頃は正直、会いに行ってはいるものの、この話題に飽き飽きして、前に比べれば積極的に帰るのをやめてしまっていたと思う。


だから、【それでもやっぱり時が来る。花嫁姿を見せてあげたい、】という気持ちがとっさに出てきたことは、正直びっくりしたのだ。

あぁ、私 そう思ってるんだ。おじいちゃんに、私の花嫁姿を見せて、結婚式を開いて、何かおじいちゃんがしたいことができる時間をとって(というようなことをよく言っていたので)、祝福してもらえることを、私がしたいんだ、と。

まだ病状はわからないけれど、軽いジャブのように内観から本音が見えてきたこと。

いい人がいたら、という言葉はもしかしたら言い訳でしかなくて、「結婚する」って決めるかどうか、なのかもしれない。