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『保健室には魔女が必要 MMMの息子』レビュー

保健室の養護教諭と学校司書は、少しだけ似ている。どちらも、全校生徒(児童)と直接関わりを持つからだ。時として、担任や学年主任よりも距離が近くなることもある。この作品を読むと、そんな学校の内情を分かってもらえている気になる。石川先生の描く「みんちゃん先生」は、子どもたちの抱えている問題の本質を正確に見極めようとしてくれる。「おまじない」というカタチを取ってはいるものの、ベースにあるのはラポールだ。ともすれば、ここに問題があるのでは、という大人側のバイアスや「フィルター」について触れてくれているところにも、信頼がおける。
思春期の子どもたちにも、うちの学校の5、6年生にも、元子どもなのに今や子どもに手を焼いている大人たちにも読んでもらいたい。

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