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その先には何がある「印象派からその先へ展」

西洋美術、特に絵画において一つの分岐点があります。それは「印象派」。「印象・日の出」あるいは「第一回印象派展」を皮切りに当初は批判を浴びたもののありのままに描くものが評価されそして芸術の新たな多様性の流れに進んでいきます。

そんな「印象派」が生んだ影響とその先はどうなっていったのか。そんな歴史をかいつまむことのできる企画展に行ってきました。

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場所は「三菱一号館美術館」。東京駅から少し歩いたところにあるこの建物はもともとは洋風事務所として建造されていたものを復元したものです。建物としては今回始めていったのですが、構造としては細かい部屋割りが多くとても個性的な構造でした。

前置きが長くなりましたが今回行ったのは「印象派からその先へー 世界に誇る 吉野石膏コレクション展」です。

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吉野石膏といえばトラの人形が耐火ボードを説明するCMでお馴染みですが、アート好きにとってはBS日テレで放送中の「ぶらぶら美術館・博物館」のスポンサーという印象もあったりします。

そんな吉野石膏は1970年代から美術の収集を始め、大部分は創業の地である山形の美術館に寄贈されていますが、今回特別に都内で開催されることになりました。

今回の特徴としては初めにピサロ、ルノワール、モネといった印象派からはじまり、その後に続いたモダンアートの流れという形での展示でまた国内でも有数とされるシャガールのコレクションは圧巻でした。

感想ですが、「みんな大好き印象派」と思われるほど日本人は印象派がわかりやすくとても好んでいる傾向があります。しかしその後は一体どうなったのか。ポスト印象派と呼ばれるゴッホあたりまではカバーできてもその先はというのはスポットが浴びにくい部分です。

今回はそのあたりがメインでした。またモダンアートというと日本語では「近代美術」となり、抽象画だったり単純化した構造絵だったりとわかりにくいものが多いイメージです。

しかしそんなことはありません。モダンアートは印象派からのそれぞれの解釈という流れであり、抽象画はあくまでもその一部分にしかすぎないのです。実際はそれ以外にもさまざまなタイプがあり、それらをどう捉えるかで見方も変わってくるのではないかなと思いました。

またシャガールのこれだけの絵が揃っているのを始めてみましたが、このコクションは本当にすごい。今回のシャガールの絵のなかで一番気に入ったのは92歳のときに描かれた「グランド・パレード」です。

サーカスは生前何度もモチーフとしてきました。その中でももっとも新しく書いたこの作品は普段のサーカスとはどこか違います。何が違うかというとやさしさです。年齢と自分の表現が結びついた結果強いやさしさが生まれてどこか幻想でどこか現実でのような世界観になりました。シャガールの絵は数多くありましたがこの作品は特に興味深かったです。

恒例となった今回買ったポストカードはこちらです。

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モネ(左上)やルノワール(右上)に加えて踊り子の名画家でもあるドガ(左下)、近代美術からアンリ・ルソー(右下)を選びました。オールラウンドに網羅したこの企画展ならではを感じます。

ということで外も風景が良く、また中も構造の独特さと構成に面白さを感じた「印象派からその先へー 世界に誇る 吉野石膏コレクション展」。東京駅によるついでに行ける距離にあります。

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ちなみに今回も撮影OKエリアがありました(いずれの絵もレプリカ)。やはり時代は共有を求めているようです。

企画名:印象派からその先へー 世界に誇る 吉野石膏コレクション展
会期:2019年10月30日(水) ~ 2020年1月20日(月)
休館日:月曜日 12月31日 1月1日 
場所:三菱一号館美術館
時間:10:00〜18:00(入室は閉室の30分前まで)
夜間開室:1月3日を除く金曜、第2水曜、会期最終週平日は21:00まで)
展覧会公式HP:https://mimt.jp/ygc/

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