ベイビーからアダルトにステップアップしました

第25回(最終回) ずっと一緒だからね−4

何を朝っぱらからこんなことを言っているのだ、このむっつりスケベ!
ワタシは、全身が真っ赤になるのを感じた。すかさず
「バカァ!!」
と叫び、この変態野郎に肘打ちを食らわせてやったわ。
でも嬉しかった。なぜって、ワタシに新しい世界と歓びを与えてくれたのだから。
ワタシはクスッと笑い
「でもエーちゃん、スゴかった…………」
と、小声でつぶやいた。

だって…………本当にスゴかったんだもん。
そして、最後に口にした…………あの恥ずかしい言葉。
ママもお姉ちゃんも、あの瞬間が来たら同じような反応を示すのかな? と思うと、背中がむずがゆくなるのを感じた。
「最後…………あんなはずかしい言葉…………いっちゃった」
ホームステイ先で、3回戦の最後にワタシが口走った英語が、夕べ最後に口にした言葉と同じ意味である事を、このテニス馬鹿はたぶん知らないだろうな…………と思っていたら、エーちゃんはワタシを自分に引き寄せて
「よかったよ…………」
とつぶやき、ワタシの額に優しくキスをしてくれた。
もう少し、彼の肌の温もりを感じていたい。私はエーちゃんをそばに抱き寄せ、そのまま長い時間を過ごしていた。
いつの間にか、カラダが汗ばんでいるのに気がついた。夕べ、あんなにシャワーを浴びてさっぱりしたというのに。
「私、シャワー浴びるね」とエーちゃんに告げると、私はバスルームに入り、シャワーを浴びはじめた。窓から注ぎ込む柔らかな光と、シャワーからでるお湯の気持ちよさに、思わず私は鼻歌を歌いながら汗を流した。すると、誰かが私の背中を触るのを感じた。
「うっひゃぁ!!」
思わずびっくりして振り向くと、いつの間にかエーちゃんが、バスルームに入ってきた。
「ちょっとエーちゃん! なにするのよ!」
私はムッとした表情を浮かべながら、視線をエーちゃんに向けた瞬間、エーちゃんはワタシの唇を奪った。
ワタシの手からシャワーをひったくりフックにかけると、俗に言う「壁ドン!」をしてワタシに向き合う。
「ななな…………エーちゃん…………なにを…………」ワタシは抗弁する。
エーちゃんはにっこり微笑むと
「なっちゃん…………かわいいね…………」と、耳元で囁いた。
そしてすぐにワタシの頬にキスをし、両腕を上に上げると、脇の下を舌で愛撫する。
「ア…………ヤダ…………」
彼の愛情たっぷりの愛撫の前に、ワタシは嫌らしい喘ぎ声を止めることができない。
エーちゃんは時間をかけてワタシを愛撫すると、ワタシのご自慢のものを揉みしだく。
ゆっくり、速く、優しく、しっかりと。
「ヤダ…………ダメ…………」
ワタシの乳首は、カチンカチンに硬くなった。秘部からは、沢山の愛液が流れている。
「朝っぱらから、もうこんなに濡れてるじゃん…………」
ヤツはニヤニヤしながら、ワタシに話しかける。おい誰だよ、ワタシをこんなふしだらなオンナにしたヤツは。
「バカッ! エーちゃんが朝っぱらからこんなことをヤルからいけないんじゃん」
とムキになって反論すると、ヤツはワタシの片足を上げながら
「そんななっちゃんがかわいいんだよ」といながら私の中に突入し、何度もワタシの一番深いところを突いてきた。
「アウッ! ハウッ! アアッ! グァ!」
彼が私の中で動くたびに、ワタシの卑猥な声がバスルームに響く。
アア、気持ちいい…………。
何もかも捨てて、彼とずっとずっとつながっていたい。いつの間にワタシは、彼の背中をしっかり掴んでいた。
そして彼と同じリズムで、ワタシも腰を動かす。彼が一生懸命ワタシを歓ばせようとしてくれているのだから、それにお付き合いするのが礼儀ってもんでしょう?
だが、彼の猛攻の前に、ワタシはだんだん足が、もとい腰が止まっていく。
「ア────────────ッ!!! ア────────────ッ!!!」
「イァ────────────ッ!!! イァ────────────ッ!!!」
「ウワァァ────────────────────────ッ!!!!!」
彼の猛攻にワタシは守勢に追いやられ、声を出すので精一杯だ。だがワタシが声を出せば出すほど、彼のストロークは威力を増していく。
「モット────────────ッ!!! エーチャ───────────ンッ!!!」
「オネガイ─────────────────────────────ッ!!!」
「もっと」「お願い」という言葉を叫んでいるのは覚えているが、あまりの気持ちよさで、他になにを言ったのか全然覚えていない。後でエーちゃんからは、あの時なっちゃんは、何かケダモノになったようだといっていた。うわあ…………なんと恥ずかい…………。
そして、エーちゃんがワタシの耳元で何事か囁いた。だが快楽の世界にどっぷりつかっていたワタシには、彼がなにを言っているのかまったく覚えていない。
気がつくとワタシは
「イッチャウ────────────────────────────ッ!!!」
と叫んでしまった。
エーちゃんは低くうなると、ありったけのエネルギーをワタシに注いだ。
しばらくの間、ワタシとエーちゃんはバスルームで抱き合ったまま喘いでいた。
欲望と快楽の混じった2人の声が、バスルームに響く。
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ」
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ」
朝っぱらから、いったいなにをしているのだろうと、ワタシも思う。
でも、彼がもたらしてくれる快楽の世界は、ワタシの理性をこなごなにするには十分すぎるエネルギーがあるんだもん。
ワタシは、感謝の気持ちをこめて両腕をエーちゃんの背中に回すと、彼の唇に軽くキスをした。もうそろそろ、部屋を出なくてはいけない時間のはずだ。
アタシは彼の耳元で「よかったわ…………」
と囁くと
「エーちゃん、もうすぐトレーニングの時間なんでしょ? 私も早く準備したいから、この続きはまた今度ね」といった。
私たちは素早くバスタオルで体を拭くと、出かける準備を始めた。

次はいつ会えるかというワタシの質問に対し
「アメリカだと、今度はセーラムで開かれる大会かな。いずれにしても、今後のポイント獲得次第だけどね」
と、エーちゃんは返答した。
「もしセーラムの大会に出られるなら、応援に行くよ」
「もし出られるのなら、また連絡を入れるよ」
「楽しみにしてるね」
ワタシはそう彼に囁くと
「また、楽しんじゃおうかな…………」
といった。
彼もにやりと笑い、ワタシにキスしてきた。
ホテル内のレストランで朝食をとると、ワタシはそのままエーちゃんと別れた。
これからまた、大学内における熾烈なレギュラー争いが待っている。
正直、まだ将来に対する不安は拭えない。
でも、この数日間で実感したことがある。
2人の間には長い距離があっても、どんな障害があっても、お互い信頼できる関係ができていると言うことを。

ねえ、エーちゃんは覚えているかな?
プロのテニス選手になるといったのも
コクったのも
キスをしたのも
全部ワタシからだということを。
そしてエーちゃんがこっちに来ると知った時、ワタシは
「ひょっとしたら、エーちゃんがきた夜に、私たちは結ばれるのだ」
と思い、心の準備をした。

確かに、あの瞬間は死ぬほど痛かった。
だって、エーちゃんってとっても硬くて、太くて、逞しくて、大きかったんだもん。
そして…………暖かくて…………優しかった。
でも、ワタシのために一生懸命になってくれるエーちゃんを見て、ワタシは絶対エーちゃんに追いついてみせるって、固く誓ったんだよ。
だからさ、ワタシのことをずっと見ていてね。
いつか、絶対にエーちゃんに追いついてみせるから。
そして…………
「日本初の夫婦でグランドスラムを獲得したテニス選手」として、歴史に名を残せるように、ワタシもがんばるからね。

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