ベイビーからアダルトにステップアップしました

第18回 もうダメ……わたしイッチャウから……

ワタシの口からは
「ハゥグッ!ハゥ!ハゥ!ハゥ!ハゥ!ハゥ!ハゥ!ハゥ!」
「グゥオゥ!オゥ!オゥ!オゥ!オゥ!オゥ!オゥ!オゥ!」
という、はしたない声が止まらない。
彼もその様子を面白がったのか、ワタシの動きに合わせて腰の動きを変えてくる。いつの間にかワタシは
「モットォォォォォォォォォ!!!!エーちゃん、モットォォォォォ!!!!」
と、彼に攻撃を「おねだり」する醜態をさらしていた。
ちょっと前のワタシは、まさか好きな男性の前で、こんなはしたいないことを叫ぶとは想定していなかった。
後で振り返ると「恥ずかしい」と思うけど、その時は快楽のままに彼の上で腰を振っていたのだ。
待ってました! とばかり、エーちゃんは乳房への総攻撃を仕掛けてきた。
てのひらで乳房を包むように愛撫すると、リズムと強弱を変えてワタシの乳房を揉みしだいた。
さらに、乳首へも攻撃を加える。
彼に攻められている間、ワタシの乳首はカチカチに硬くなり、ビンビンに立った。
身体全体が紅く染まるようだ。あえぎ声も意味不明の発音が多くなる。
目を開けていたかどうかは、エーちゃんに何か呼びかけていたのか、それは今となっては全く記憶にない。
ワタシのカラダと記憶は、彼の猛攻で落城寸前の状態になった。
そして、ついにあの時がやってきた。
ワタシとエーちゃんが、心の底から望んでいたあの瞬間が。
「エーちゃん……もう……ダメェェェェェェェェ!!!!!!!!」
とワタシが大声で叫ぶと、ついにいってしまった……あの言葉。
ありったけの力で
「アイムカミ──────────────────────────────ング!!!!!」
と叫ぶと、エーちゃんも限界が来たのだろう。ワタシの秘部を、火山の噴火みたいに、身体をこなごなにしてしまう感覚が襲ってきた。
ワタシはエーちゃんの鍛え上げらた胸に倒れ伏してしがみつき、そのまましばらくの間意識を失った。

どのくらい時間が経ったのだろう。
意識を取り戻したワタシはスタンドの灯りを消すと、そのままぐっすりと深い眠りの底に落ちてしまった。
アレは、ワタシが生まれてはじめた味わったオルガスムスの感覚。
ママもお姉ちゃんも、あの感覚を知っているのだろうか……

今は聞けない。
だって今言ったら、2人から
「テニスの練習そっちのけで、ボーイフレンドと快楽の世界にふけったふしだらな娘」
と思われそうで怖い。
あ、でもお姉ちゃんは理解してくれそうだ。
「奈津、あなたもとうとうその快感を知ってしまったのね」
と突っ込まれ、その話題で盛り上がりそうな気がするな。
もっとも、パパとママがいる前ではいえないけどね。
同世代の女同士のヒ・ミ・ツ、ということで……

ふわふわとした快感に包まれたまま、ワタシは目が覚めた。
時計を見たら、朝7時をまわっている。
イッたあとはさっさと眠りたいという一心で灯りを消したから、時計の針が何時を指していたのかは全くわからない。
エーちゃんの部屋にに来たのは前夜11時近く、彼の部屋に入ってから3回愛し合ったことは覚えているけど、どのくらい時間をかけていたのかは全く記憶にない。最低1時間以上は快楽を貪っていたのは確実だと思うけど……

エーちゃんは、ワタシの横で気持ちよさそうに眠っている。
彼の寝顔を見ながら、ワタシは夕べの出来事を思い出していた。
昨日2人で過ごした時間と出来事は、一生忘れないだろう。
あれだけの濃密な時間を、私たちは一緒に過ごしたことはない。
これから愛し合うたびに、私たちの絆はもっと深まっていくのだろうか。
そんなことを思いつつも、ワタシは静かにベッドから抜け出てシャワーを浴び、身支度を調えた。
そして朝食を準備するため、キッチンに向かった。

7時半過ぎ、上半身は裸、下半身にバスタオル1枚というあられもない姿で、エーちゃんがキッチンにやってきた。
さすがに朝っぱらから、素っ裸でワタシの顔を見るという趣味はないようだ。ワタシは彼に微笑みを浮かべながら
「おはよう、エーちゃん。もうすぐ朝食ができるよ。シャワーを浴びたら一緒に食べよう」
といった。彼はうん、と頷きながら、けだるそうな様子でシャワー室に向かった。
「夕べあれだけ激しかったもんね。まだ眠いのかな……」
ワタシは一人ほくそ笑むが、考えてみれば今日は練習があり、あさっては試合だ。本番に差し支えなければいいけど、とワタシは内心焦った。

朝食を食べながら、これからの話をしていたのだが、エーちゃんの様子がどこか変だ。
「エーちゃん? 何を考えているの?」
と聞いたら
「昨日のなっちゃん、なんかスゴかったね……」
おいおい、これから練習だというのに、まだ夕べのことを考えていたのか、このむっつりスケベ野郎は!
ワタシは顔を赤らめて
「エーちゃんのバカ……」
と返事をしてしまったではないか。
それにしても、朝っぱらからこんなやりとりをするなんて
私たちは、いったいなにを考えているんだろう……

朝食後、私たちは「チーム丸尾」のメンバーとホテルのロビーで対面した。
メンバーはエディー、室賀の両コーチ。そしてSTC時代からの付き合いである深沢くん。
深沢くんはエーちゃんのATPツアーデビュー戦を見ようと、自費でわざわざこちらにやってきてくれたのだ。もちろん、ワタシは2人のコーチとはこれが初対面だ。
エーちゃんはやや顔を赤くしながら
「そして、僕の恋人の鷹崎奈津さんです」
と、ワタシのことを紹介してくれた。
ワタシは彼の紹介を受けて
「はじめまして!」
と元気よく叫び、1年前の同時期に比べて少しは進歩したかな?と感じる英語で
「ジョージア大学テニス部の鷹崎奈津です。よろしくお願いします」
と挨拶した。
視線を深沢くんに向けると、どうやら彼は事情を察したらしく、どこかよそよそしい。
ワタシはエーちゃんの練習を少し見た後、自分の練習のために大学に戻った。

夕方練習が終わり自宅に戻ると、ホームスティ先のパパとママが戻ってきていた。
「ただいまー」
といって自室に戻ると、部屋はすっかり片付けられてきれいになっている。
ママに感謝しなくては……と思ったワタシは、思わずハッとなった。
そして、あっという間に顔が赤くなった。
エーちゃんの部屋、そして3度目のセックスで使った部屋のドアを開けると、2つの部屋はすっかり片付けられている。
ひょっとして、ママはワタシのあの証拠を見てしまったのか?
参ったな-と思っていると、いつの間にかママが、ワタシのとなりにニヤニヤしながら立っているではないか。
「ナツ、とうとうヤッたようね」
ワタシは、恥ずかしさのあまりうつむいていると
「……あなたたち、夕べは相当激しかったみたいねー」
と突っ込まれた。
「4年間付き合って、夕べが初めてだったの? あなたって、今時珍しいくらいに一途な子ね。それとも、日本人にとっては、それが当たり前なの?」
うーん、それはわからないけど、ね……
少なくても、彼が「ゲイ」「不能」なのと言われるよりは数倍マシかな・・・

それよりも、あさっての試合どうなるのだろう?
夕べあれだけ情熱的に愛してくれて、あさっての試合に影響を及ぼさなければいいが、と心配してしまうワタシだった。
さて、デビュー戦がんばってね、エーちゃん。
そして試合が終わったら、また夕べの続きをしてもらうんだから、覚悟してね。

この記事が参加している募集

#コンテンツ会議

30,734件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?