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小説のようなもの

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【小説のようなもの】hikari-toha

【小説のようなもの】hikari-toha

ふと、気づくと歩いている。
ここは、どこだろう。

俯くと白線が目に入る。
歩道と車道を分ける白の。
見上げると街灯が点、点、点、と柔らかな色を放っている。

ああ、ここは多分…東京だ。夏と冬だけ訪れたことがある、東京のどこか。
じゃあ、いつなのか。住宅街。街灯。夜。真夜中だろう。
人もいないし、車も通らない。
静かな夜。

どこだろう。
いつだろう。

考えると答えが、光景が、景色がすぐに用意さ

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