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お盆迎え日であつまった友人一家の乾杯ムービーを観ていたら、たのしくなって思いだすこと。

大型の台風が宮古島に接近している今夜、わたしの友人のおうちでは旧盆の迎え日で、ご先祖さまのため一族みんな集まって盛り上がっていた。

そんなLINE動画が友人から届いた。

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わたしが初めて宮古島を訪れたのは、1997年か98年のころで、美しいビーチをふたりで切り盛りしていた愛すべき夫婦と運命の出会いをした。

●23年くらい前の新城海岸

毎年…ときどき石垣島や竹富島や、与那国島や西表島に浮気しながら…毎年じゃないな、笑笑
宮古島通いがはじまった。
もうとにかく、青い青い宮古ブルーの海と大好きな夫婦に会うために、そして都会の生活の疲れから逃亡するため年に1度か2度訪れていた。

ふたりが営む海の家
〜とはいっても当時は貸し出しパラソルくらいしかなかったけど〜
に到着すると決まってオーナーのかずニィはハンモックで昼寝をしていて、わたしの顔を見た連れ合いのみっちゃんが
「かずと〜〜‼︎‼︎まみちゃん帰ったよー‼︎‼︎」と叫ぶ。
すると、モソモソと頭をこちらに向けて、
「おーぅ、いつもどる〜?」
酔っ払っていつも開口一番こう言うのだ。

わたしたちは、腰くらいの浅瀬の珊瑚の海で、ワイワイ集まる熱帯魚に夢中になって、はしゃいでクタクタで海から上がってくる。
はらぺこで宮古そばを頬張って、オリオンで乾杯しているわたしたちのところに、かずニィがやってきておもむろに三線をとりだして酔いしれるメロディを奏ではじめる。

至福の時間である。

旅人のわたしたちにもとても親しく接してくれる夫婦は、わたしにとって第二の故郷のニィニィとネェネェという存在となり、ここに戻ってくればいつでもこの時間を過ごせると信じて疑わなかった。

でも、ずっと永遠に変わらないことなんてありえないのに、変わるはずがないと思っていたのだ。

ある年、たまたまほかの島に浮気して、2年ぶりにこの島に戻ったときに、いつもここに来れば会えると思っていたことが叶わなくなった。

かずニィは、ひとり届かない空の上に旅立っていた。

ああ、いつも普通にあると思っていたことは、そうではなかった、と気づいたのだ。
愚かだな。
そんなわけないよな。
時間は過ぎていくし、同じ時間は二度と来ないのに。

今も毎年帰る宮古島で、友人たちは“おかえりなさーい”と、笑顔で迎えてくれる。
戻る日には“いってらっしゃーい”と、送ってくれるのだ。

きっとかずニィがつないでくれた新しいご縁のおかげで、わたしはたくさんたくさん幸せをもらいに帰ることができる。

お決まりのビーチに着いて、さあ海に入ろうとするとモンパの木が目に入る。
「いつもどる〜⁇」という声が聞こえる。

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今夜は家族がみんなあつまっているので、大騒ぎしているに違いない。
沖縄では、集まってお酒を飲むと畳にも少しお酒が溢れたりする、ので、ご先祖さまが喜ぶから、みんなでお酒を飲むことが供養になるのだそうだ。

かずニィも得意の三線を弾きながら一緒に歌っているに違いない。
この間わたし持っていったシマ呑んでね。
まだたくさん乾杯したかったな。
おとーりもしたかったな。

でも、まぁまぁ久々のデカめの台風みたいなので停電覚悟になるのだろうな。

今夜は、またいつか乾杯しましょうねと言いながら、かずニィと、そして先に旅立った大好きな恩師や上司を送ったことをおもい、宮古島のあの信じられないくらい青い海をおもう。

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