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物語の消化 ゲーム制作小話 #2

ゲームプランナーのみえうです。
ゲームプランナーがゲーム制作にまつわる話を書いていきます。
基本的に超マニアックな話になります。
今回は第2回です。

物語を摂取するときって人によって消化があると思っています。
単純に物語を楽しむことだけが物語を消化することではないです。

物語ってなんだ?

登場キャラクター(人である必要はないのでキャラクターにしてます)が「どんな行動」を「何が理由」で起こし、その結果「何が起き」、登場キャラクターが「何を得たか」の流れを指しています。「AはBのためCをしたが、目標は達せず、かわりにDを手に入れる」というやつです。起承転結といったまとめ方の話ではないですね。

これを文章、映像、ゲームなど媒体問わず人間がどう消化するのかという話です。いちいち読む/見る/遊ぶとか書くと面倒なので、今回は一律「読む」と表記します。

読むことと消化すること

最初に物語を読むことと消化することは違うという話です。
イメージとしては「食べる」と「消化する」をイメージしてもらいたいです。
「食べる」は食べ物を噛んで胃に収める行為で、まだ人には取り込まれていないです。「消化する」は食べ物を栄養に分解して体に取り込む行為です。消化までして初めて体に取り込まれます。物語を読むときも消化するに相当する行為があります。

「読む」ということ
物語を読むとは文章や映像から話の流れを脳にインプットすることを指します。物理的な意味で読んでいますね。得手不得手はありますが誰がやっても同じ結果になります。

「消化する」ということ
人ごとに物語からの快楽の得方が違います。これは人の好き好みです。物語自体を楽しむ人もいれば、登場キャラクターとの恋愛を楽しむ人もいます。その結果、物語のから得る栄養素が変わります。基本的は解釈の仕方なので読んだ後の話です。

読むと消化するにラグがないほど物語から快感が得やすいです。ユーザーが小赤する必要がないので全員に安定して快楽を届けられます。自動作品や大衆娯楽にその傾向があると思います。
ラグが多い作品、つまり消化しにくい作品はちゃんと消化できた快感や消化した内容を共有する感覚が得やすいので一長一短です。楽しみ方がマニアックになってくるので文学作品や専門的な娯楽に多いイメージがあります。

消化手法の分類

※以下自分と書いてあるものは自分もしくは自己を投影したキャラクターと読み替えてください。

分類1:夢
自分を物語に登場させ、登場キャラクターに対し自分が影響を与えることで快楽を得るタイプです。特に登場キャラクターと恋愛する女性は「夢女子」と呼ばれます。

分離2:英雄
自分を物語に登場させ、お話に対し自分が影響を与えることで快楽を得るタイプです。なろう小説とかこれを体現したものですね。自分が消化しなおさなくても快楽を提供してくれるのでそりゃ人気出る。

分類3:壁
登場キャラクター同士の交流を想像して快楽を得るタイプです。分類1の2タイプは両方とも原作にはないシチュエーションになってましたが、こちらは原作にあっても大丈夫なのが強み。とはいえ最終的には原作にはないシチュエーションを妄想することになります。腐女子って結構このタイプなんじゃないかなって思います。

分類4:裏話
物語の裏で動いてた話を考えるのが好きなタイプです。本編ではこの部分しか書かれていないけど、実は裏でこんなことが起きてました!!みたいな。カメラを止めるな!とかコンフィデンスマンJPとか好きな人ですね。

分類5:消化しない
これは消化しないことが快楽になる作品です。。消化しないので物語自体を楽しむことはできないため、ほかの要素で楽しむことになります。例えばわからないものを見てる自分かっこいいとか、単に美術的にきれいとか。
消化しないは入れるか迷いました。以前から芸術作品が何で客がいるのかわからなかったんですよ。作品を見ても何もわからない、解説を読んでもわからないでも人気がある。美しい絵とかならわかるんdネスが、抽象画とか何がいいのか?ちゃんと理解してみてる人も当然いると思いますが、一般人が見てもわからないですよね、でも人気あるじゃないですか。ということは楽しいんですよ。
で、先日横浜トリエンナーレに行った際にパンフレットに「わからないを楽しむ」という言葉が載っていたんですよね。なるほどと思いました。わかってないけど楽しいのか。それを物語に落とし込んで入れ込みました。

これらの消化手法は一人一つしか出来ないわけではなく、すべての人間が全部の消化の仕方を出来ます。どの消化方法が得意かというだけですね。私は1、3が得意です。

おわり

今回は物語の消化方法に関して書きました。ゲームとのつながりは次回紹介します。

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