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「子どもが好き」って、なんなんだよ?!

高校生の時から子どもと遊ぶボランティアを始め、大学生では小学校を訪問して人形劇/影絵劇の公演をしたり子どもと遊んだりするサークルの活動に熱中し、玩具メーカーに就職し・・・という経歴を持つ私は、ずっとずっと「子どもが好きなんですね!」って言われてきた。

最初のうちは、「えぇまぁ」となんとなく笑ってごまかしてきた。自分が母となり、母親同士の会話の中では、わざわざ、子どもが好き、と言われることもなくなっていたのだけれど。
この間久しぶりに「子どもが好きなんですね!」って言われて、妙な違和感があったのだ。
なんだよ、「子どもが好き」って、どういうことさ?

だってさ、「大人が好き」って言わないよね?好きな大人もいるし、嫌いな大人もいる。

子どもだってさ、正直に言えば、好きな子どももいるし、好きかどうか分からない子もいるし、遠めに見てイヤだなって思う子どもも、いるよ。

だいたい、「子ども」って何歳くらいの人のことを言っているのさ?小さい人?2歳とか3歳?小学生くらい?「子ども」が、高校生になって子どもじゃなくなったら、好きじゃなくなるの? そんなことないよね??

あぁ分かった。「子どもが好き」っていう言い方から、子どものことを見ていないような印象を受けるんだ。1人1人違う人なのに。「子ども」ってひとまとめに、1つの属性として語ることに違和感をおぼえる。

私が子どもたちの活動に深く関わるようになったのは、子どもが「好き」だからではない。高校生の時に学校で居場所を作ることに難儀していた私は、ボランティアの場で出会った子どもたちに居場所を作ってもらった。自分が何かのお役に立てることが、どんなに有難いことか教えてくれたのは、そこ出会った子どもたちだった。
だから、その後も、ずっと、子どもとの活動は、私にとっては安心できる場所として存在していた。

そこから始まって、今も子どもたちの活動に関わり続けている理由は、多くのものに触れ、吸収し、そこから学び育っていく段階の人たちに関われることに意義と面白さを感じるからだと思う。やりがいもある。

「子どもが好き」だからではない。
「子ども」という属性は広すぎて、それだけで好きとか嫌いとか決めるのって、現実的じゃない。

私が好きなのは、「子ども」ではなくて、ケンちゃんであり、マイちゃんであり、アキちゃんなんだ。(名前はすべて仮称です。)

「子どもが好き」という大雑把な言い方は、自分の気持ちとはしっくりこないのだけれど、「好きな人」はこれからも増やしていきたいな。子ども1人1人の顔を見て、ちゃんと向き合える活動をしていこうと思う。

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