ファッション業界が抱える問題を説明してみる
初めて読んでくださった方は、はじめまして!
別の記事から飛んできてくださった方は、いつもありがとうございます。
このnoteは、ウェブサイトでは伝えきれない、私たちのブランド運営をしているメンバーの想いや考えを皆様にお伝えする日記のようなものです。
もしもご興味を持っていただけたら、ぜひ他の記事を読んでいただいたり、私たちのウェブサイトにお立ち寄りいただけたら嬉しいです!
はじめに
皆さんは「グリーンウォッシュ」という言葉をご存知でしょうか?
エシカルやサスティナブルをイメージさせる"グリーン"と、見かけだけという意味の"ホワイトウォッシュ"という言葉をかけた造語のことで、実態に関わらず、環境に配慮しているように見せかけることで、環境意識の高い消費者に購入を促す行為です。
なぜこんなことが起きるのかといえば、サスティナブルという言葉の曖昧さがあります。
再生プラを一部で利用しているため"サスティナブル商品"として大々的に宣伝しているにも関わらず、実際の再生プラの含有率は低く、低賃金労働を強いて価格を抑え、プラスチックの色を綺麗に無くすため染料を大量に使っているのだとしたら、少なくとも消費者が思い描いていたサスティナブルとは認識のズレがあるはずです。
実際のところ、こうした例は至る所に見られ、ファッション業界にまつわる環境や人権問題が一向に解決に向かわない一つの原因と言えます。
私たちはこうした現状を受けて、環境に配慮したサスティナブルと、人権に配慮したエシカルの両面から、ファッション業界で起きている問題を包括的に取り組むブランドです。
できる限りの情報を購入前に開示することで、安心して購入し、私たちの服を着る日は、なんとなく幸せになるような体験を提供できることを目指しています。
この記事では、私たちが取り組んでいる環境・人権問題をわかりやすくお伝えすることが目的です。
ファッション産業が生み出す問題
箇条書きで記載していてはキリがないので、まずは以下の図をご覧ください。
ファッション業界に関わり、多くの方のお話を伺ったり調べてきた中で、特に問題に感じた部分を列挙してみたのですが、もっと細かくみていけば、問題はまだまだ出てきます。これから、各プロセスごとに少し踏み込んで解説していきますが、いきなり全てを理解するのは骨が折れるので、ざっくりと理解したい方は、気になる部分以外は読み飛ばしてください。
動画でざっくりとイメージされたい方は、こちらの動画をみていただくとわかりやすいですよ!
①栽培
服づくりには欠かせないコットンですが、栽培の過程だけでも、以下のような問題が挙げられています。
大量の水の利用
農薬や殺虫剤の過度な利用
土壌の過度な活用
低賃金労働及び児童労働
特に発展途上国では、長期的な視点を持って栽培をする余裕はなく、今の生活を保つために、とにかく目先の出荷数を増やすことに終始してしまう傾向があります。
結果的に、農地の長期的な利用は考えず、大量の水や農薬を使った生産をおこなったり、こどもの教育よりも労働を重視するようになってしまうのが現状です。
②生地への加工
摘み取ったコットンを生地へと加工するプロセスでも、多くの問題があります。
漂白剤や染料の使用による水質汚染
工場からの排気ガス
大量の水の使用
低賃金労働及び児童労働
生地の加工はとにかく安く大量に行うことが求められます。そのため、使用する染料の処理や排気ガスを削減するような取り組みにお金をかける余裕はありません。
発展途上国の安い労働力に目をつけて、ファストファッションブランドなどが劣悪な労働環境で雇用しているといった報告も多く存在しており、批判の対象となっています。
③服への加工
生地を今度は服の形に加工していきますが、ここでも問題が起きています。
切れ端の廃棄
工場の排気ガス
低賃金労働及び児童労働
生地と同様に、安く大量に縫製を行うことが求められます。当然ながら、裁断されて余った生地は再利用されることはなく、廃棄されることがほとんどです。
発展途上国に限らず、国内の工場でも他社比較により安く買い叩かれてしまうため、従業員に給与を支払うのがやっとだったり、赤字経営が続いている工場も多くあり、環境問題どころではない企業も多くありそうです。
④販売
これまでのかなりの問題を列挙してきましたが、最後に販売です。
余った服の廃棄
着用後の服の廃棄
ファッション業界はトレンドの移り変わりが激しいため、とにかく多くのデザインを安く届けることが重要になります。そのため、流行らずに終わってしまった服のほとんどは廃棄処分されてしまいます。
---
このように、ファッション業界は環境・人権の観点で多くの問題を抱えており、再生プラスチックを使うから解決するといった簡単な話ではないのです。
ただし、こういった状況を"企業だけのせい"にすることはできません。なぜなら、こうした状況は消費者の"コスパ重視"のニーズを満たすために生み出された仕組みだからです。
これについて説明すると長くなってしまうため、私たちができる行動については、別記事にて説明させてください。
私たちの取り組み
これらの問題に対して、一部だけを切り取って解決策を提示することでサスティナブルだと主張すること自体を間違っていると言いたいわけではないですが、少なくとも本質的な解決には向かわないと考えています。
なぜなら、競争力のある服を作ろうとすると、どこかをサスティナブルに変えた分のコストをどこかで帳尻合わせする必要があるからです。例えば、さらに賃金を抑えたり、素材の見栄えを少しでも保つために染料を多く使うなど、どこかに皺寄せがきてしまうのです。
私たちはブランド設立当初から、環境・労働問題への取り組みを第一とし、服の素材は環境に配慮した素材のみにこだわり、バリエーションは日常使いできる型のみとし、染色を行わないためカラー展開もきなり1色のみという、ちょっと変わったアパレルブランドです。
私たちの取り組みについては、こちらにてさらに詳しくご確認いただけますので、少しでもご興味を持っていただけたら、一度ご覧いただけますと光栄です。
ここまで読んでくださった皆様へ
長文にも関わらず、ここまで読んでくださった皆様にお礼を申し上げます。
ブログの内容を見て、さらに気になったことがあれば、購入の意思に関わらずお問い合わせフォームやLINEよりご連絡いただければ、私の存じ上げる範囲でお答えさせていただきます。
それでは、失礼します。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?